大切な人を守る為に《ﾌｧﾝﾀﾋﾞ》 (ページ35)

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ep.34 ページ35

諦めかけたその時、茂みがガサガサっと音を立てて揺れた。
私は思わず身を構える。

勢いよく飛び出してきたのはモフモフの黒い生き物。

『……魔法動物？』

見た目はモグラのような生き物。
しかし、ホグワーツに普通のモグラが居るわけない。
モグラとは少し見た目が違い、とても可愛らしかった。

ふと、その動物が何かを加えていた。

『あ！それ私のネックレス！！』

大声をあげた瞬間、その動物は走って逃げて行った。

『え！？ちょっと待って！！それ返して！！』

すぐに追いかけたが、逃げ足が早くすぐに見失ってしまった。
荒くなった息を整えながら、どうすればいいか考える。

答えは、ただ一つ。

私はニュートを探してホグワーツを走り回った。
しかし、見つからない。

談話室に入ると、リオンとアレンが座って話をしていた。
私は咄嗟にアレンの肩を掴んで揺らした。

『アレン！！ニュートがどこにいるか知らない！？緊急なの！！早くして！！』

「ちょちょちょ、落ち着いてくれっ！！に、ニュートなら、図書室に行くって言ってたけど…」

『分かった！！ありがとう！！』

「………お、おう」

目を回しているアレンを放って、私は急いで図書室に走って行く。

図書室に入り、ニュートを探す。
彼は窓際の隅のテーブルで本を読んでいた。

私は走って彼に駆け寄り、肩を掴んだ

『ニュート！！お願い、手を貸して！見つけたのに逃げられたの！！！！』

「えっ！？ちょ…ちょっと待って…一体何が…」

『いいから来て！！』

私は力強くニュートの手を引っ張って図書室から連れ出す。
何が何だか分かってないニュートを先程見失った場所へと連れて行く。

『ここで見失ったの！！彼のこと教えて！！』

「A、落ち着いて。最初から説明してくれる？」

興奮している私は荒い息整えるように深呼吸をする。
落ち着いてきたところで先程の状況を伝える。

『さっき中庭でネックレスを探していたの。そしたら茂みの中からモグラのような生き物がネックレスを咥えてて……』

「モグラ…？」

『体は黒い毛がフワフワしてて、クチバシがカモノハシのように長くて……』

「二フラーだ！」

動物の特徴を聞いた瞬間、魔法動物の名前を言った。
やっぱりあれは、魔法動物だった。

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