ep.33 ページ34
「……その大好きは……"友達として"……だよね？」
『ちょっと違うかな…』
「……え？？」
私は少し恥ずかしそうに頬を染めた
ニュートは予想外の返事が返ってきて思わず身を乗り出した、
『友達というか………ニュートは私の話を聞いてくれたり、優しくしてくれたり……まるで"お兄ちゃん"みたいな存在だなって。だから、友達とは少し違う』
それを聞いたニュートは項垂れてしまった。
「いや……うん……そうだよね。今までそういう経験してこなかったから分からないのも仕方ないのかも……お兄ちゃんみたいな存在……僕が苦労するって、そういう意味だったのか……」
『え？なに？私、何か変なこと言った？？』
未だに項垂れてブツブツと何かを呟いているニュートに私は焦りを感じた。
かと思いきや、勢いよく顔を上げた。
その顔は真剣な面持ちで私を見つめていた。
「君がこの気持ちに気付くまで僕は待つことにするよ。この行動の意味。よく考えてみて」
そう言うと、ニュートは私の髪にキスを落とした。
まだ幼さの残るニュートだが、今目の前にいる彼は少し大人っぽくて、かっこよく見えた。
顔が一気に赤くなるのを感じた。
ニュートは面白そうに笑っていた。
「顔真っ赤だよ、大丈夫？」
『に、ニュートのせいでしょ！！もう、部屋に帰る！！』
恥ずかしさのあまり私は勢いよく立ち上がり、寮へと走っていった。
その後、部屋にいたリオンにニヤニヤしながらからかわれた。
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次の日。
私は授業が終わって再び中庭へとやってきた。
案の定、ニュートは授業に顔を出さなかった。
けど、不安になる気持ちは、もうなかった。
首に下げているニュートのネックレスを触る。
昨日の事は夢ではなかったのだ。
雨が降った中庭には水溜まりが出来ている。
汚れてしまうが、私は探すことにした。
『よし、頑張ろう』
髪を後ろで一つ結びにして再び中庭を探し始めた。
昨日は雨が降っていて視界が悪かったが、今日は雲ひとつない晴天晴れだ。
中庭の床や壁の隅、茂みの中を探してみるが、見当たらない。
『見つからないな……やっぱり風に飛ばされてここじゃない所に落ちたのかな…』
そうなると捜索は極めて厳しいものになる。
範囲が広すぎて私一人じゃ手に負えない。
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作者名：Lia | 作成日時：2023年6月29日 19時
