ep.３ ページ4
『あ、でも私…お金はそんなになくて…』
「大丈夫。私の親戚の子どもとしてホグワーツには入学してもらう。お金の心配も要らないよ」
ダンブルドアはよしよしと頭を優しく撫でる。
何だか、家族になったようで私は少し嬉しかった
ダンブルドアが家中に魔法を放つと、洋服や雑貨が全て自分のバックの中に入っていく。その光景を見て目を丸くする。
「荷物は纏まったな。さぁ、私の腕に掴まりなさい」
『え、腕…？』
差し出された腕を見て首を傾げる。
纏められた荷物を持ち、私は恐る恐る腕に手を回す
「しっかり掴まってなさい。じゃないと迷子になってしまうからね」
『あの、どういう…』
右手はダンブルドアの腕、左手にはファイを抱き締めていた。疑問を投げかけようとした瞬間、目の前が回り始め浮遊感を感じた。
『きゃあああっ！！！』
思わずぎゅっと力強く目を閉じて浮遊感に耐えていた。
すると、足の裏に地面のような固い感触を感じた。未だに怖くてダンブルドアの腕にしがみついていると、トントンっと肩を叩かれる。恐る恐る目を開けると目の前には壮大なお城のような建物がそびえ立っていた。
「ここがホグワーツだよ」
『………す、凄い……』
ここが、学校…？
思っていた学校と想像を遥かに超えていた。
私はダンブルドアから離れ、ゆっくりと歩き始める
その後ろをダンブルドアが着いてくる
物珍しそうに辺りを見渡していると、目の前から女性が歩いてきた。私は思わずダンブルドアの背中に隠れる。
「アルバス」
「ああ、ミネルバ。ちょうどいいところに来た。明日彼女をダイアゴン横丁へ案内してくれないか？私より同じ女性の君の方が買い物しやすいだろう」
ミネルバ、と呼ばれた女性は頷くと背中に隠れている私に視線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
「初めまして、私はミネルバ・マクゴナガル。アルバスと同じくホグワーツで教師をやっているわ」
『………A・ロイス……です』
「A、とても素晴らしい名前を貰ったのね。よろしくね」
優しく微笑みかけるミネルバを見て、私は小さく頷いて見せた。
その様子を見たダンブルドアも満足そうに笑い、ミネルバへと視線を移す。
「今日は彼女も疲れただろうから私の家へ案内する。明日彼女を迎えに来てくれ」
「分かったわ。A、また明日会いましょう」
ミネルバは私に向かって手を小さく振ってホグワーツへと入っていく。
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Lia | 作成日時：2023年6月29日 19時
