大切な人を守る為に《ﾌｧﾝﾀﾋﾞ》 (ページ17)

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ep.16 ページ17

『ふあぁ〜……』

「大きなあくびね。眠れなかったの？」

『うん……ちょっとね……』

「そう……寝ながら歩くと壁とキスするわよ」

あの後、ニュートとお別れしてから自分の部屋に戻り、ベッドに潜り込んだ、が…中々寝付けず気づけば朝になっていた。
半分寝ながら歩いていると目の前に壁が迫っていた
リオンが寸前で私の腕を引っ張って何とか壁とキスするのを止めてくれた。

「いい加減起きないと朝ごはん無くなるわよ」

『それは困る！早く行こう！！』

「食べ物の執着は凄いわね……」

そそくさと大広間に入り、空いている席に座る
昨日も見たが、とても豪勢な料理も並んでいた
すると、私の向かいの席にニュートが座ってきた

『おはよう、ニュート！』

「おはよう、今日も元気だね」

『こんな美味しそうなご飯を見たら元気になったわ！』

「Aは食べることが好きなんだね」

『うん！』

まるで小さな子供のように喜ぶAを見てニュートの眠気はどこかへ飛んで行ってしまった。もりもりと食べるAの隣を見ると女の子がじっとニュートを見つめていた

「えっと……僕に何か用？」

「………貴方がニュート？」

「そっ…そうだけど……」

「……ふーん。」

未だにじっと見つめられているニュートが戸惑っていると、女の子は重いため息を吐き出した。

「苦労するわよ、貴方」

「え？苦労？？」

何故、僕が苦労するのだろう。

不思議そうに首を傾げていると、女の子はAの肩をトントンっと叩いた

「ちょっとA、食べてないで紹介しなさいよ」

『へ？……ああ！ごめんなさい。彼はニュート・スキャマンダー。私の大切なお友達なの！ニュート、彼女はルームメイトのリオン・ハイラーよ』

「よろしく」

「こ、こちらこそ…よろしく…」

ニュートとリオンが握手を交わしていると、ニュートの背後から勢いよく男の子が飛び出してきた。私はびっくりして思わずテーブルの下に隠れた。

「おい、ニュート！先に行くなんて水臭いぞ！」

「うるさっ………ほら、アレンのせいで怖がらせてしまったじゃないか」

「え？うおっ！そんなところにいたのか！！」

テーブルの下から覗く私を見て男の子は面白そうに私に近づいてきた。

「そんなところに隠れてないで出てこいよ！」

『えっ…ちょっ……！』

私の腕を引っ張ってテーブルの下から私を立たせると、男の子は急に大人しくなった。

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