浮所?那須?いいえ､浮須です｡7th

･(飛貴) ページ6

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今日の公演も無事終わり､シャワーを浴びて楽屋へ入ろうとすると




雄登「別れるの?」


A「うん､そのつもり」



Aと那須の話し声が聞こえてきた｡



雄登「あったから?」


志桜李「それもある｡身近でこんなことあった以上無理だよなって
それに､元々ちゃんと付き合ってたわけじゃないんだ」


雄登「どーゆこと?」


志桜李「付き合ってるふりっていうか」


雄登「何それ」


志桜李「飛貴が『好き』って言ってくれて､でも私はそうやって見たことないって言ったら､お試しでいいからって言ってくれて付き合うことになったんよ」


雄登「そっか」



今しか入れるタイミングなさそうだな｡



飛貴「ただいまーってAじゃん!!」



至って普通に｡いつも通りに｡
映画主演俳優だもん､出来てるはず｡



雄登「お､浮所戻ってきた
じゃあ､俺帰るね」



そう言って立った那須の服の裾を摘んだA｡



雄登「ん?」


A「あ､んーん｡なんでもない」


雄登「そ」


A「お疲れ､じゃあまた明日」


雄登「うん､また明日｡浮所も」


飛貴「おう」



那須が出ていったのを見送ってさっきまで那須が座っていたところに座る｡



飛貴「どうしたの?こっち来るなんて珍しいじゃん」



最近は基本的に舞台の準備とかの必要最低限でしか自分の楽屋を出ないA｡
そんな中電話じゃなくてわざわざ俺らの楽屋に来たってことは相当話したかったんだろうな｡



A「うん｡話あって」


飛貴「話?」



何話されるかわかってるけど､あえて知らないフリ｡



A「あの､ね」



言いづらそうに口を開いたA｡



A「あのね……」


飛貴「うん?」



ちょっと待ってみたけどやっぱり言いづらいみたいで中々言葉が出てこないみたい｡

そんな中先輩の曲の一節『さよならと言われるより 言う方がきっとツライ』というのを思い出した｡

これは俺から言った方がいいよな｡

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