美少年の紅一点は浮所と元不仲です２

卒業 ページ30

藤井side



浮所「ふざけんなよ！！！！」


荒々しい声が楽屋に響く


浮所の怒鳴り声を聞くことがめったにない俺らはかなり驚いている。


…でも今回ばかりは俺達も浮所と同意見だな。



「…浮所には関係ない」


浮所「関係ないってどういうこと」


Aと浮所が見たことないような顔で睨み合っている


発端はこの前のRIDE ON TIMEでのAの発言だった。


"卒業"


まさかAの口からこの言葉がでるとは思ってなかった。


そんなこと…考えてるなんて知らなかったから今回ばかりはみんな浮所と同意見だったんだ。


那須「…浮所に関係ないってそれはおかしいっしょ」


那須は怒鳴ってはないけど声色がいつもと違う


「まだ、卒業はしないって」


岩崎「でもいつかはするってことでしょ」


「…いつかだよ、今じゃない」


浮所「そういう問題じゃないんだよ。卒業すること自体が問題なの」


金指「なんで一言も相談してくれないの」


「…みんなには関係ないから」


藤井「関係ないって言うのもおかしいよ。俺達メンバーだよ？」


俺が聞くとAは黙るばかり


龍我「卒業なんて言わないで一緒にやっていこうよ…」


「…よ」


浮所「…なに」


「男の子で産まれたみんなにはわからないよ」


浮所「は？」


「男子は40歳になっても50歳になってもアイドルとしてやっていける。けど女子は無理なの」


「40歳で歌ってる女の子のアイドルなんて見たことないでしょ？」


Aの言ってることは正しくて俺たちは何も言い返せない


浮所「男子女子って…そうやって性別で判断されるのAが1番嫌がるじゃん」


「嫌でも判断されるんだよ！？」


浮所だけじゃなくてAも声が荒くなっていた


「そういう世界なんだよ…」


那須「でも俺らになんも相談無しにそんなの決めてほしくない」


「みんなに私の気持ちを、考えを理解出来ると思ってないしして欲しいとも思ってない」


浮所「…なんでそんな言い方するんだよ」


「お願いだから…卒業の話は聞かなかったことにして…」


段々と声を小さくしながら話すAに俺たちはなんも言えなかった


浮所「…もう卒業でもなんでも好きにすれば」


岩崎「浮所そんな言い方…！」



浮所の気持ちも分からなくはないけど…Aの気持ちも分からなくはない


お互いの言ってることが正しくて俺たちは何も言葉を発せなかった




その日から浮所とAは2週間会話をしなかった。

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