美少年の紅一点は浮所と不仲です５ (ページ5)

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浮所side

病院に着くまで気が気じゃなかった。

もっと早く見つけてれば、倉庫に入れられる前に見つけられてれば桃瀬はあんなことになってなかったかもしれない

自分の無力さを思い知らされた気がした。

メンバー全員が桃瀬の病室に来て桃瀬を見守ってると桃瀬がゆっくりと目を開けた

桃瀬に声をかけると、申し訳なさそうに俺たちに謝る

「心配かけてごめん…」

こんな目にあっても先に俺たちに謝る桃瀬

…桃瀬は何も悪くないのに、

スタッフさんの対処とかを説明したあとみんなが変な気を聞かせて病室から全員出ていって、部屋に残ったのは俺と桃瀬2人だけ。

「倉庫から助けてくれたのって浮所？」

沈黙を破って桃瀬が話しだす

浮所「うん…助けんの遅くなってごめん」

「ううん。見つけてくれてありがとう」

浮所「今までも…ほんとにごめん」

後悔してた。助けられなかったこと。突き放されたからって、何を言われても桃瀬から離れちゃダメだったのに。

「私が突き放しちゃってたから」

浮所「倉庫で…倒れてて…呼んでも返事がなかった時、心臓止まるかと思った」

ほんとに、心臓が止まるかと思った。桃瀬になにかあったらって考えると、頭が回んなかった。

「ごめんね…」

浮所「もう、あんな目に合わせないから、俺たちが守るから…」

俺が守るから、とは言えなかった…

「ありがとう。ほんとに…ありがとう」

満面の笑みを向ける桃瀬に対して、好きって言おうと覚悟を決めようとする。

けど…

スタッフさんに言われた言葉を思いだす。

付き合ったら桃瀬が傷つく。

…確かにって思った。

ただでさえ仲良くしてただけでいじめが始まったのに、ジャニーズにいるだけでアンチが止まらないのに

俺と付き合いだして知られたら、桃瀬がどんな目にあうか分からない。

それに…桃瀬が俺の事を好きなのかもわからない。

もう好きじゃないかもしれない。

…なんも考えてなかった。

自分のことしか考えられてなかった。

俺は喉まででかかっていた " 好き " の2文字を飲み込んだ。

ん？っと首を傾げる桃瀬に…

俺は…伝えることが出来なかった。