美少年の紅一点は浮所と不仲です５ (ページ4)

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Aside

長い、長い、夢を見ていた気がした。

暗闇の中、何も見えなくて声を出して助けを呼んでも誰も来る気配がなかったのに

意識がはっきりしない中、暗闇の中に飲まれていたはずの部屋が明るくなって抱き抱えられた夢

その人の腕の中は居心地が良くて、意識をそっと手放した。

「ん…」

目を開けると目の前に白い天井が写る

浮所「桃瀬、目覚めた？」

「浮所…？」

那須「よかった…倉庫で倒れてたんだよ」

周りを見渡すとメンバー全員が心配そうに私を囲っていた

「心配かけてごめん…」

浮所「暗闇の中でパニックを起こして気を失ったみたい。あと足が捻挫してるから暫くは安静にってお医者さんが」

「ありがとう」

那須「Aを閉じ込めたスタッフさんだけどちゃんと事務所の人に言ってクビにしてもらって二度と近づかないって誓約書書かせるって言ってたけどそれで大丈夫？」

「うん」

岩崎「あ！そういえば俺たち用事があったんだった」

金指「そうだった！忘れてた！！」

藤井「でもAを1人にするのはまだ心配だから浮所いてあげて！！」

浮所「う、うん…わかった」

那須「え、用事なんてあった？」

金指「那須うるさい行くよ」

那須「え！？金指！？」

みんないそいそと荷物を持って病室から出ていく

病室には浮所と2人っきり

「倉庫から助けてくれたのって浮所？」

浮所「うん…助けんの遅くなってごめん」

「ううん。見つけてくれてありがとう」

浮所「今までも…ほんとにごめん」

「私が突き放しちゃってたから」

浮所「倉庫で…倒れてて…呼んでも返事がなかった時、心臓止まるかと思った」

一言一言絞り出すように話す浮所を見て本当に心配してくれたんだと実感する

「ごめんね…」

浮所「もう、あんな目に合わせないから、俺たちが守るから…」

ギュッと私の手を握りながら言ってくれる浮所

「ありがとう。ほんとに…ありがとう」