我が家の教訓3

サプライズ ページ27

そのあとも何事もなかったかのようにこの１週間の話をしてくれたりして
気づくとあんなにいっぱいあった食料のほとんどがなくなっていた



今は隆二くんが今日は俺が全部するからとプレートを片付けてくれているので
ソファーに座ってぼーっと今日の出来事を思い出していると




突然パッと電気が消えた


停電？？





と思っているとろうそくに火を灯したケーキをもった隆二くんが美声でバースデーソングを歌いながら現れた



隆「Aちゃんおめでとう。生まれてきてくれてありがとう。Aちゃんと出会えたこと二郎さんにもお母さんにも感謝しなきゃね」




こんなこと言われたことなかった
母がいないとわかるとどこか遠慮する人が多くて
両親にも感謝してくれる人なんていなかった




隆二くんはどこまでも優しい人
昼間隆二くんの好意を無下にしたっていうのに私の誕生日なんか祝ってくれて


そういえば剛典くんと別れたあと、共通の知り合いとも距離を置いてた私に
自ら近寄ってきてくれたのも隆二くんだった


隆二くんとはそういう人なんだ



嬉しくて涙で滲むろうそくを見ていると





隆「Aちゃん？ろうそくフーってしないと俺がしちゃうよ？早く早く！！ケーキ溶けちゃう？」


隆二くんの言葉のままにろうそくを消すと一瞬窓からの月明りだけになり
次の瞬間まぶしさに包まれる


「あれ？アイスケーキ？」

隆「うん。Aちゃんさ、本当は甘いもの苦手でしょ？だからアイスなら大丈夫かなって」



気づいてたんだ…


さっと包丁で切り分けてお皿に乗せてくれる
ご丁寧に砂糖菓子もちょこんと乗せてくれる



隆「これは気分だけね！誕生日の人に何も上乗ってないと味気ないじゃん？」


「ありがとう。いただきます。あ！おいしいっ」

隆「エヘヘ。Aちゃんは笑ってる方がやっぱりいいよ。俺が好きって言っちゃったからって距離置いたりしてほしくないし、無理に意識しなくていいからね」




「よし！俺も食べよ」ってモリモリ食べて
「あー。つめてーーー」ってこめかみを抑えてる隆二くん




もう意識してるよ

うわさ→←帰りたくない

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