我が家の教訓3

夕飯のお供 ページ3

以前食欲のすごい隆二さんにこれ食費…としわくちゃの諭吉様を数枚渡された時があった


未だにこだわりのラーメン屋をやってる傍ら、ここで夕飯を食べたら深夜の仕事に向かう


そんな生活をしている人からお金をもらうことなど出来ず、
今は実家にいるジローさんに何か買ってあげて？とか、今度外で食事することがあったら出してね。とうまく言いくるめている


隆「今日はなに？」


スッと玄関まで迎えに来て私の手に持ってたビニール袋をさっととってリビングまで運んでくれる


そんなさりげないやさしさの塊のような人





剛典くんと別れて寂しがっていた私の良き愚痴り相手になってくれていた



今日の夕飯も作り終えて２人で食卓を囲む
いつも通り「うまい！」と連呼してもりもり食べてくれる


この時間が私たちの唯一の会話の時間で私の愚痴を聞いてもらう時間でもあるんだけど
今日はいつもとちょっと違った


隆「今週末さ、どっか出かけない？」

「え？お店は？」

隆「今週末は従業員みんな結婚式に呼ばれちゃってたりして人手ないから休み」

「そうなんだ〜。それなら私なんていつでも会えるんだから普段会えない友達と遊んだら？」

隆「俺はAちゃんと出かけたいの！」

「あ！もしかしてあれ？この前言ってた新しくできたスイーツの店行きたいって言ってたやつ？」

隆「……」


スケジュール帳を確認して今週末の予定をみると
接待もなく空いている


「今週末は…あ！大丈夫だよ！一緒に行く？」

隆「Aちゃんは行きたい所ないの？」

「行きたい所…」

忘れてなんかない→←座り込み

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す