黒ノ桃 Ⅳ (ページ9)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:56,902 hit

. ページ9

次に目が覚めた時には隣に龍也は居なかった。

「あ、起きた？」
「ん、今何時？」
「15時」
「めっちゃ寝た」
「どう体調は？」
「だいぶマシ」

昼ご飯も食べずにぐっすり寝たからか、まだ熱は下がってなかったけど頭痛も治っていてだいぶ体が軽くなった。

「まだ寝る？」
「いや、もう眠たくない」
「じゃあ、目瞑って」

言われるがままに目を瞑ると、片手は俺と手を繋いで、片手は俺の胸を規則正しくトントンしてくれた。

「落ち着くでしょ？」
「うん」

目を瞑ったまま龍也と話す。

「ジェシー、頑張ってくれてありがとう」
「ん？」
「俺の看病しながら仕事して、疲れたでしょ？」
「疲れてないと言えば嘘になるね」
「ジェシーも無理しないで、隠さないで。俺を頼ってよ」
「うん、ごめんね。これからはちゃんと言うよ、龍也怖いから、HAHA」
「ジェシーが隠すからでしょ、俺には隠すなって言うくせに！」
「ごめん、ごめん」
「でも、ジェシーの看病出来るのちょっと嬉しいかも」
「体調悪い時に龍也が隣にいてくれると安心するね、龍也が言ってたこと分かった気がする」
「ふふっ、よかった」

元々元気が取り柄の俺は、夜も龍也を抱きしめながらぐっすり眠ったお陰で、次の日にはピンピンになっていた。
たまには龍也に看病されるのも悪くないね。
龍也が体調悪い時は出来るだけ傍にいてあげようと思った。