黒ノ桃 Ⅳ (ページ37)

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「蓮ね、大我ちゃんと付き合う時必死だったのよ」
「えっ？」
「ママに、どうしたら振り向いてもらえる？って聞いてきたの」
「ふふっ、あの蓮が？」
「そうよ、付き合ってからも大我ちゃんに飽きられないように必死だった」
「飽きるわけないのに」

蓮ママに敬語は嫌だって言われたからタメ口で話すようになった。
そして、内緒よって蓮ママが色々話してくれた。

「ママが心配になるくらい一途に猛アタックしてたから、嫌われちゃうかと思ったのよね」
「でも、その一途さが蓮のいい所だよ」
「そう？、蓮って重いでしょ？」
「ううん、蓮が愛してくれてるって感じがして凄く嬉しい」
「なら良かったわ、大我ちゃんは蓮にいっぱい甘えていいからね」
「うん、分かった」
「気持ち悪いくらい重くなったらママのとこ逃げてきていいから」
「ふふっ、そうするね」

蓮ママと秘密のお話をして、もうご飯も食べ終わってリビングのソファで皆でくつろいでいた。
蓮パパと蓮と律くんはお酒を飲みながら楽しそうに話していた。

「ねぇ、蓮、そろそろ寝ない？」
「ん？」
「ちょっと疲れちゃった」
「あぁ、寝よっか」

お先におやすみなさいと声をかけて同棲する前に蓮が使ってた部屋へ入った。

「蓮、大好きギュッ」
「何？どうした？」
「んーん、何でもない」

蓮ママに言われた話が嬉しくて蓮に抱きついて眠った。

「大我くん、またな。体にも気をつけて」
「大我ちゃん、今度はママが遊びに行くね！」
「大我くん、元気でね～」

次の日、目黒家に見送られて自分たちの家に帰った。
蓮パパも蓮ママも律くんも、皆温かくて優しくてもっと大好きになった。
俺って幸せ者だ。