黒ノ桃 Ⅳ (ページ36)

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京本side

お風呂を出て少し休憩している間に食卓に料理が並べられて、席についた。

「「いただきます」」

「ん～、美味しい！」
「良かった～、味濃くない？大丈夫？」
「はい、美味しいです！」
「はぁ～、ママ頑張ってよかった！」
「ふはっ」
「何で笑うの！？」
「いや、大我が子供みたいで」
「蓮さいてー」

蓮ママの作る料理好きなんだよね。
パクパク食べてたら蓮に笑われるし、意味わかんない。

「大我くん、今日は来てくれてありがとうな」
「いえいえ、俺も久しぶりに会えて良かったです」
「体の方は大丈夫なのか？」
「え、と」
「蓮から病気のことは聞いてるよ、でも大我くんは大我くんだから前と何も変わらないよ」
「そうよ、大我ちゃんは大我ちゃん！ママはどんな大我ちゃんでも大好きなんだから！」
「ｸﾞｽｯ、ありがとう、ございます」
「え、ちょっと～、泣かないで、ヨシヨシ」
「良かったな大我」
「ｸﾞｽｯ、うん」

蓮パパと蓮ママの言葉が嬉しくて涙が溢れてきた。
蓮ママが焦って慰めてくれるのが面白くていつの間にか涙は止まって、笑ってしまった。

「蓮には大我ちゃんは勿体ないわ～」
「逆に、俺の方が勿体ないですよ」
「それはないわ、蓮がちゃんと大我ちゃんを支えられてるか心配で心配で」
「大丈夫ですよ、蓮は俺のために毎日頑張ってくれてます。なのに、俺何も出来ないから」
「いいのよ、蓮に目一杯甘えてあげてよ」
「でも、本当にお世話になりっぱなしで、家事も出来ないし、体調崩すし」
「だったら、そのお礼に蓮をいっぱい愛してあげて。そしたら、蓮はもっと頑張れるし、幸せだと思うよ？」
「分かりました」
「あ、それと、ママたちにも頼ってね！ママだって蓮に負けないくらい大我ちゃんのこと大好きなんだから」
「ふふっ、ありがとう」
「やだー、もう可愛い！ギュッ」

蓮ママは大我ちゃんが敬語じゃなくありがとうって言ってくれた～って蓮にマウントとってた。