黒ノ桃 Ⅳ (ページ2)

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仕事終わりに龍也を迎えに病院へ来た。

「龍也～」
「あ、ジェス」
「どう、調子は？」
「怠い」
「そっか、でも熱下がってよかったな」
「まだ微熱だけどね」

熱はだいぶ下がったけど、まだ倦怠感は残ってるみたいでベッドから起き上がれず首だけをこっちに向けている。

「どうする？家帰る？」
「うん、帰りたい」
「よし、じゃあ帰ろう！ちょっと待ってね」

龍也を診てもらうために阿部ちゃんを呼んできた。

「まだ微熱だけど、まぁ許容範囲でしょう。血圧低いし、貧血も出てるから怠いでしょ」
「うん」
「体調悪い時にあまり出したくないけど、鉄剤飲んでほしいな。それと、解熱剤の座薬出しておくからまた熱出たらそれ使って」
「うぇ」
「嫌だったら入院する？」
「帰る」
「なら頑張って、季節の変わり目で体調崩したんだと思う。ちょっと長引いちゃうかも知れないけど、あまりにも辛かったらまた病院来て」
「分かった」
「じゃあ帰っていいよ」
「ありがとう、阿部ちゃん」

会計をして処方された薬を貰って、龍也を抱っこして車まで運んだ。

「大丈夫？辛くない？」
「大丈夫」
「寝ていいからね」
「うん」

家に着いた頃には寝てて、そっとベッドまで運んだ。