37話 ページ7
、
「ほんまにも〜……」
頭を抑えてベッドの上に座ってるファットさん。
なんで俺ばっかり…
本当は満更でもなかったりする。でも恥ずかしいのも事実だ。
服の隙間からファットさんの首筋が見える。
前は胸元と首につけられてみんなにバレて。昨日は首噛まれて出血して、今日は内腿に跡付けられて。
…少しだけ、仕返しがしたくなった。
「…ファットさん」
「な、なに…うお！？」
今度はファットさんの胡座の上に俺が向かい合わせで乗る。
そして首に顔を埋めた。
行き場のない手がわたわたとさせる。
「A！ちょっと待っ」
俺は首筋を舐めた。一呼吸置いて、ファットさんの制止の声も聞かずに其処を思い切り吸う。
流石に1回ではつかないから何回も何回も其処を吸う。
時折音が鳴ってしまうのが恥ずかしい。けどこれは仕返し。
何回か吸った後、くっきりと綺麗に跡が付いた。
「付いた…」
「っ…」
そこを指で撫でる。
でも終わりじゃない。
ファットさんは俺の首、というか勝己が付けた場所に噛み傷を付けた。
まあファットさんの首も鎖骨も胸元も、跡なんか無いんやけど
俺は鎖骨まで目線を下ろして、思い切り前歯で皮膚を噛んだ。
ガリっと口の中で皮膚を噛み切る音がして、直後じんわりと血の味がする。
「いっ」
血が溢れる其処を舐める。
恥ずかしいけど、何でかやめられない。
漸く血が止まって来た辺りで其処から唇を離した。
目線がバッチリ交わる。
ファットさんの頬は少しだけ赤かった。
その事実に少しだけ嬉しくなる。
口から垂れた赤い血を手の甲で拭う。
「し、仕返し！！！」
それだけ言って俺は風呂場まで走った。
……
「…はー…なんや、あれ…俺の理性バキボキ折りたいんか…」
と鏡を見て付けられた二つの印を撫でた。
……
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作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年9月6日 16時
