35話 ページ5
、
「この歳でおんぶって…」
「いやわしと比べたらまだ若いもんやで」
「ファットさんもまだ若いで」
「たしか…今9歳差だったっけ…」
「環とは11歳差やな〜」
なんて、クソ程くだらない話をして帰る。
あかん…眠たなってきた…
ちょうど良い揺れ具合にファットさんの匂い。
落ち着く…
気がついたら目を瞑ってしまっていた。
……
(初の)ファットside
「おーい、A？着いたで〜」
「ファット、A寝てるよ」
「…ぅ、起きとる、で…」
しゃあないなぁ、とおぶったまま事務所に入る。
環はお休み。と自室に戻っていった。
自分も部屋に入ってベッドにAを下ろす。
「ベット着いたで。風呂入るかー？」
「ん〜」
重そうに身体を起き上がらせてコスチュームを脱いでいく。
それでも眠いのか、途中でまたパタリと布団に寝てしまった。
「お、オイオイオイオイ。其処まで脱いだんやったら下も履いてや」
「んー…」
上は何でかもうAの物になってしまってる俺のジャージ。
なんせよく個性で手を複製させるから手が隠れるものが良いらしい。別にあげてもええんやけどな。
…それにしても、目のやり場に困る。
俺の服はサイズが大きいだけであって袖が長い訳ではない。
ちゃんと上まで上げていないチャックは胸あたりまでしか上げられてなく、はだけて胸元が丸見え。
俺のつけた印がチラホラ見える。
下は生足で中が見えるか見えないか辺りまで短い。
いつもは下に脹脛あたりまでのズボンを履いているが、苦しいのか眠いのか履こうともしない。
こ、これは…
理性を…試されてる…！！！
「起きてえや…！！」
「おきるってばぁ……」
眠い所為か目を瞑ったまま不機嫌に眉を顰められる。
男にしては筋肉が付いてない白くて綺麗な太ももが擦り合わされる。
それにドキッと心臓が跳ね上がった。
思わず其処に手が伸びる。
するり、とその柔らかい肌に指先を滑らせた。
すると
「ぅあ！？」
ビクッと体が跳ねたと思えば閉じていた目もぱっちり開く。
「…や、ちょっ！どこ触っとるん…」
……
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作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年9月6日 16時
