61話 ページ38
、
そういうと図星なのかなんなのか、苦虫を噛み潰したような顔をする空歩さん。
「なんで…っなんであの人なの！？男の人じゃない！！おかしいよ！！！気持ち悪いよ2人とも！！！
だから私が目を覚ましてあげようと…！！」
言い返せなくなったのか、本音をぶつけて来た。
その言葉に手が出そうになった。でも相手は女の子。
「俺は別に男が好きな訳ちゃうし。あの人が好きなだけや。
あの人がたまたま男やっただけ。それだけ。
空歩さんは偏見でも持ってんのか知らんけど、俺そういうの興味ないから。余計なお世話」
「っなのよAくんも！！！ほんっと幻滅した！！私がここまでしてあげたのにどうしてわかってくれないの！？」
こ、こいつ…ふてこいな…
いきなり曝け出される本性に少し狼狽えてしまった。
「…わかるわからんの話しちゃうやろ！？ええ加減にしてくれや！そんなに気持ち悪い思うんならもう関わらんといてくれ！こっちも迷惑やねん！！」
「っ！！！もういい！」
そういうとバタバタ足音を立てて乱暴にドアを開けて出て行った。
ドアが乱暴に閉まる音を確認すると、一気に脱力感が襲う。
こんなに怒ったん久しぶりや…
「ふー…」
溜息を吐きながらリビングに戻る。
「ファットさん…終わったで〜」
「A…」
「も、もしかして聞こえとった？」
「おん、最初っから最後までな」
は〜とその胸に倒れこむように抱きつく。
「っはは、猫みたい」
「んん…」
頭を優しく撫でられる。時折耳をかする手が擽ったい。
「一瞬、一瞬だけ不安になった。」
「ごめんなぁ…って俺何もしてへんけど…」
ぎゅーと抱きしめられる。
「空歩さん、あんな人やったんや…人間ってわからへんな」
「空歩っちゅーんかいあの女。」
「せやで。空歩さん偏見拗らせすぎてて説得なんか無理や。ほっとくしかないわアレは。」
「…や、あれは偏見とかじゃなくて…んん、何でもないわ。うん」
……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年9月6日 16時
