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51話 ページ28







Aside







相澤先生は、どうして俺に思いを伝えてくれたんだろうか。





ファットさんのことが好き、そう言った直後に告白してくれた。


それはある意味、相澤先生自身が終止符を打ちたかっただけなのかも知れない…




それでも、俺は相澤先生が好きだ。意味は違えと俺の一番の先生で、大事な人。



相澤先生が死にかけてたら俺は大阪でも地球の裏側からでも駆けつけるだろう。




そんな大事な先生が俺を好いてくれて、また背中を押されてしまった。






夜中、俺は外に出て近くの浜辺を歩いてファットさんに電話を掛けた。





寝てるかな…





『あーもしもし?どないしたん?』





「ぁ、あファット、さん…」





『んん?なんや、なんかあったん?』




俺の挙動不振な喋り方にファットさんが少し笑う。



俺は立ち止まってその場に座った。





「あ、あんな、大事な話、したい…」



時間ある?と聞く。




心臓がばくばく言うて息苦しい。





『お、おん、仕事も終わったし大丈夫やで…何?』



怖いわ〜と緊張した声が耳に流れる。





「ファットさん…






好き。」





『…へ、』




その瞬間、色んな何かが限界、と言う風に溢れ出す。






「…っ、う、ぅあ…すき、…好き…ふ、ぅ…大好き…好きぃ…」





ず、と鼻をすすって言葉を紡ぐ。




涙が止まらない。





「ファットさんに、ちゅーされるたびに、跡付けられるたびに、不安でしゃーなくなる、好きなん俺だけなんかなって、ん、だって、ファットさん可愛いって言うてくれるだけでなんも言うてくれへんやん…」



「もう今更溢れてしゃーないねん、好き、ねえ好きや…」





『…A、今どこや』




「え、浜辺…海浜公園…やけど」





『そこ動かんとってな』




それを最後にプチリと無線が切れる。





「え、や…ここ東ky…切られた…」






なんやねん、好きやないんやったらそう言ってくれや…





ぱたりと浜に寝そべる。





星、めっちゃ綺麗…




「あー…今日も疲れた…なー…」





寝ながら耳まで垂れてきた涙を拭う。






「っはあ、は…っA!!!」





さっき聞いた声が、クリアに耳に入る。





体を起こして周りを見る。






「ファット…さん…?」





その瞬間、大きな身体に包まれた。






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作者名:花苑 x他1人 | 作成日時:2017年9月6日 16時

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