49話 ページ26
、
相澤side
「な、な、…関係…？」
「そうだ。」
珍しく焦って居るAを横目で見る。
でも、すぐに悲しそうな顔をした。
「…そういう関係とか、そんなんはないで。
…でも、俺ファットさんのこと好きやで。でもわからへん。言うてええんか。
ちゅーもキスマークも付けてくれるけど、ファットさんは肝心のところ何にも言わへん。
でも触られたら嬉しい。触りたくなる。
わからん、わからへん…」
そう言って腕に顔を埋めた。
思い出す。此奴と飲みに言った時のこと。
なんの戸惑いもなしに俺をファットだと間違えてキスしやがった。
その時の顔は忘れられない。
本当に、好きで好きで仕方がない。という顔だった。
「…そうか…」
ずきり、胸が痛む。
やっぱり、ダメか。俺じゃ
「まあ一度話してみる価値はあると思うがな」
「むりやって…」
「あのなあ、そんな堂々とキスマーク曝け出すのに比べりゃ好きの一言や二言簡単なもんだろ？」
「…」
無視かよ…
煙草の火を消す。
「…すき…」
小さく呟かれた言葉に我慢ができなくなった。
顔を埋めて前を見ようとしない事を良いように、俺は髪をひと束掬ってキスをした。
「いまちゅーしたろ。何？センセー俺のこと好きなん？」
「好きだよ」
「エ」
……
新作です！短編集みたいなもんです。
山奥のお狐様【僕のヒーローアカデミア】
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作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年9月6日 16時
