番外編*相澤先生VS模造先生 ページ21
、
「いーやーやー！！！」
「俺だって嫌だわ。」
2人して死んだ顔をして向かい合う。
全校生徒が注目する中、校長先生に下された命は、
「生徒じゃなくて、先生同士の対人バトルをしよう！」
ということだった。
当然辞退しようと思ってたけど、辞退する前に断ったら減給！と釘を刺されて断れなくなってしまったのだ。
流石にテレビ局はこない。
無理やりコスチュームに着替えさせられた。
しかも一回戦は相澤先生。うそやろ。嫌の他ない。
「さあ一回戦！イレイザーヘッドとムーブのガチンコ対人バトル！
死んだ顔をしたお二人さん！準備はいいかい！？」
「良くない」
「埋まりたいわ」
「準備OKだな！」
話聞けや。声デカすぎて耳まで悪くなったん？
「…やるしかねえのか…なら、全力で勝たせてもらうぞ。A」
「…望むところや」
「レディー…スタート！！」
……
緑谷side
相澤先生とA先生の全力ガチンコ対人バトル。
2人は完全に乗り気じゃない。顔が死にまくってる。
でも、スタートを切った瞬間両方の顔付きが変わった。
"プロ"の顔。
「えー…1発目から個性使ってまうんかい。」
相澤先生はゴーグルをつけて個性を発動させる。
A先生は少々困っているようだ。
「でもなでもな、俺個性無くても戦えるねんで」
足の指まできっちり包帯の巻かれた足で地面の土を蹴る。
突き技と打ち技を区別して相澤先生を押していく。
体重が軽いから、動きも素早くて軽やかだ。
でも一撃は重い。
「すっご…相澤先生が良く言ってた、一芸だけじゃヒーローは務まらないって…本当だね。」
麗日さんの声に頷く。
直後A先生の変な叫び声が聞こえた。
「うぎゃ！！」
「あ、先生の足が…」
急接近した相澤先生の首に回し蹴りを入れようとして、捕獲器で右足を縛られてしまった。
そして今、身長的な関係もあって、逆さに宙ぶらりんに吊し上げられた。
「あの状態でどうやって立ち直すんだ？」
「せんせ、知ってる？俺って足2本あるんやで」
まさかのまさか、紐を掴んでる相澤先生の腕を左足で思い切り蹴った。
思わず捕獲器を離してしまった隙に足を引き抜く。
「うっかりさんめ。あ、俺もか」
そう言って煽るように包帯だらけの顔でニンマリと笑った。
怖い、いろんな意味で率直な感想だった。
…。
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作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年9月6日 16時
