33話 ページ3
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「いっつもありがとうな。ねーちゃん」
「いいえ。お大事になさって下さいね。」
担当の看護婦のねーちゃんに手首の消毒と包帯を巻いてもらった。
俺はそれ以外特に怪我はしてなかったから、2人の元へ向かう。
待合室で1人座ってるファットさんを見つけた。
環はまだみたい。
「ファットさん、大丈夫やった？」
「…うん。だいじょーぶやで〜」
「…何？なんかあったん？」
さっきから見るからに元気が無い。ていうか機嫌悪い？
なんか…不貞腐れてる？てか拗ねてる？
そう顔をじっと見つめるとファットさんに怪我してない方の手を引かれた。
「ん、」
唇同士が軽くぶつかる。
いきなりの事にぼん、と顔に熱が集まる。
「え、ちょ、ここ病…ぅん！」
次はかなり長めのキス。
ただの長めのキスだけど未だ慣れない。
少しだけ、目を開けるとファットさんと視線が交わる。
恥ずかしくなって無理やり唇を離した。
「っは、ここはあかんって…」
ファットさんはさっきとは打って変わって満足気な顔をして俺の頬を撫でる。
その顔にさっき不機嫌だった理由の推測が頭にぽん、と浮かぶ。
…も、もしかして…
「し、嫉妬…したん？」
「……」
「……」
「…………悪いか」
ぷい、と少し頬を赤く染めてそっぽを向かれる。
心臓が締まる。あかん、可愛い……
肩がプルプルと震える。
「い、いいえ。悪無いです…ん、ふふ……」
「…何笑っとるん」
「え？っふ、かわええなぁ思って…あ、環」
顔に絆創膏を何個も貼った環が出て来た。
「絆創膏だらけやなぁ」
「ほんと、担当のお婆ちゃんが大げさで…」
環は顔の絆創膏を触った。
「さ、帰ろか」
……
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作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年9月6日 16時
