44話 ページ17
、
俺も対抗して個性を使う。
「良いねえ、これ。腕は左右合わせて40本も複製させられんだっけ？」
「…物間くん、40本はやめておいたほうがいいよ。君には無理だ。」
「は？」
馬鹿にしてんの？と言わんばかりの顔とともに40本の物間くんの腕が浮かび上がる。
瞬間、物間くんは足元をふらつかせる。
この個性は5分で物にできる個性じゃない。
慣れないうちに急に40本も複製させれば脳がショートしてしまう。
ただでさえ10年以上付き合ってきた俺でさえもギリギリなのに…
個性が暴走する前に鳩尾に1発入れて、物間くんを気絶させる。
保健室に運んで授業を再開させる。
「次、回原くん」
それからはもう何もかも一緒だった。
隙があり過ぎる。
一回個性を仕掛けたきり何もしてこないし、俺が攻撃しても反撃してこない。
何だろう、なにがダメなんだ…？
俺に遠慮している…？いや、違うな。
…この子ら、ほんまにヒーローになる気あるんやろか。
「はー…次、鉄哲くん」
「ういっす！！！」
個性、スティール。
あー鉄になるのかな。切島くんみたいに。
「よーいスタート」
するといきなり顔を狙ってきた。
間一髪で避ける。
さっきまでの生徒とはまるで顔つきが違う。
…この子、良いなぁ。
でも、殴るのに必死で後はガラ空き。
「筋はいい…けど残念！後ろがガラ空きや」
「っ！」
複製させた腕で首の後ろをとん、と叩く。
ふらついた鉄哲くんが俺に向かって倒れてきた。
咄嗟に抱き止める。
「おっとっと…ごめんな、大丈夫？」
「ぅ、いや、大丈夫っす、すいません」
流石スティール、ちょっと叩いたぐらいじゃ気絶はしないな。
「えー次で最後やな。
心操くん」
…
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作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年9月6日 16時
