41話 ページ14
、
「んじゃあ、行ってくるわ」
「気をつけてね…」
「たまきぃ…行きたない…」
環に縋るように抱きつく。
頭をぽんぽんと優しく撫でてくれる。どっちが年上かわからんわ。
なんとか相澤センセーからの文字ズレと敵襲撃の大量すぎる書類を完成させ、また東京へ向かう。
クッソ体怠いわ…と思いつつも外に出るため階段を降りる。
「A！忘れもん」
ファットさんに名前を呼ばれて振り向く。
え、なんか忘れてる？
その瞬間、1秒だけ唇が合わさった。
悪戯に成功した子供のように笑うファットさん。
「…」
仕返しにほっぺたにちゅーしてやった。
「これからはなんかしてくる度にお返しすることにしたねん。」
ぼーぜんとしてるファットさんにべーっと舌を出して早々と事務所を出た。
「ぐおあああ……なんやあれ。かわいすぎるやろ…」
「ファット、仕事して」
…
新幹線に乗り、東京へ向かう。
眠いけど、眠れない。
そんな地獄の数時間を適当に過ごす。
指定席だし、痴漢の騒ぎも無いから平和だ。
駅から出て雄英へ向かう。
ぽいっと口にキャラメルを放り込む。
うん、うまい
キャラメルは結構好きだったりする。
ちなみに俺は噛むより舐める派。
暫く歩いて雄英。
口の中のキャラメルも溶けきった辺りで職員室の扉を開けた。
「おはよーございまーす…あれ、相澤センセーしか居らんの？」
なんの返事も帰って来ず、え、無視？と思って自分の席に着く。
「…寝とるし」
相澤センセーは机に突っ伏して寝て居た。
パソコンは開きっぱなしやし、合理にクソうるさいセンセーがこんな時間に寝てるなんて、ここに徹夜で泊まり込みしたんだろうと瞬時に判断した。
でも流石に風邪引くよな…
保健室から毛布を借りて来て、肩にかける。
本当は布団で寝て欲しいけど、起きそうに無いし今はこれで十分やろう。
「…」
……ずっと、やってみたかったことがある。
手をセンセーの頭に置く。
「んへへ、ふわふわ…」
その髪をずっと触ってみたかった。
どーせ言っても触らせてなんかくれやんやろうし、これは絶好のチャンスやと思った。
「で、でも触りすぎたら起こしてまうよな…」
パッと手を離して自分の席に着いた。
…
「(起きてんだけどな…)」
…
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作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年9月6日 16時
