32話 ページ2
、
「環！ファットさん！」
そこには脂肪が無くなってるファットさんと環。
環はそこまで目立った傷は無い。ちょこちょこ擦り傷やらは作ってるけど。
ファットさんは腕から結構な出血。
座り込んでる2人に駆け寄る。
脳無は三体討伐したみたい。
「無事やったか…！って、手から血出てるで！！」
「ファットさんの方が酷いわ！…腕出して。」
俺は自分の顔に巻いていた包帯を解いて、ファットさんの腕にきつく巻いて止血する。
自分の手首が崩れてるから、巻いてる時も血が滲み出てくる。
「ごめん、汚してもうたわ」
あはは…と笑う。
ファットさんの顔が歪む。
「救護呼んだ？」
「おん…」
？なんや元気ないなぁ…
顔バレ防止のため、腰に巻いていた上着をきてフードをかぶる。
…まあ、別にバレてもええんやけど…。
「環はどっか怪我したん？」
「いや、俺は擦り傷…と、まあ痛いのは指切っちゃったぐらい…」
触手が出てるから指を狙われたんだろう。
見せて、というと確かに人差し指が第一関節がかなり酷くぱっくり割れていた。
「うわあ、地味に酷くて地味に痛いやつ…ま、舐めとけば治りそう」
俺はいつもの様にその指を口に入れた。
……ん？と違和感。
そして数秒後に気づいた。
いつものように、ってこれ俺の指やないやん。何してるんや俺。
ボケにも程があるやろ。
と自分自身にツッコミを入れた。
「あ…ご、ごめん」
ちゅ、と音を立てて口から指を抜く。
環の顔は真っ赤。
俺は冷や汗ダラダラ。
ファットさんは怖いくらい真顔。
沈黙が続く。
「え、あの、その、ほんまごめんな。」
「い、いやだいじょ、ぶ…」
その後、かなり気まずい空気の中救護班が来て俺らは病院へ運ばれた。
……
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作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年9月6日 16時
