16話 ページ24
、
相澤side
Aのキスマーク事件から数時間後、時刻は夜中の1時半。
あの後Aはまだ慣れてもない酒をヤケになって呑んで潰れている。
「あーしんどい…」
「あんなに飲むからだろ」
ミッドナイトさんもマイクもオールマイトさんも完全に寝落ちしている。
なんでオールマイトさんは酒飲んでないくせに寝てんだ…？
今起きてるのはAと俺だけ。と言ってもAは言ってる間に寝そうだ。
「ふぁっとさん…」
「俺はファットじゃない」
ひっく、としゃっくりを上げる。
そしてじい、っと顔を見つめられる。
は？と戸惑いつつもその潤んだ目を見つめ返す。
すると膝立ちになって俺の体によじ登ってきた。
そして俺の膝にまたがるように座る。
「お、おい危な…！！」
「んー、ねえ、ちゅう、ちゅー…して」
ねーねー、と子供のようにキスを強請るAに冷や汗が止まらない。
完全に俺をファットガムだと思い込んでやがる。
俺はそこまで巨体じゃ無い。
「…ヤメロ」
肩を押し返すもこいつはしつこい。戦闘のやり方以前にもはや性格の問題かもしれない
だがこればっかりはダメだ。引き下がるまで俺もねばる。
漸く諦めたと思えば
「なんで？いっつもしてくれるやん…もうええ、俺がする…」
その瞬間Aの薄い唇が俺の唇に押し当てられた。
女みたいな石鹸の匂いが鼻をくすぐる。
何度も何度もしつこく押し当てられて頭がくらくらしてくる。
「んーーー…」
「オイ、やめ」
終いには下唇を噛まれたり唇を吸われたり、舌は絡められないもののかなりのテクニックに戸惑う。
どんな教育させてんだファットガムは
「は…きもち、い…」
ふわふわする、と蕩けた顔で熱い息を吐くA。
あまりの教え子だった奴の色っぽさにどうすれば良いかわからなくなる。
その後脱力したのかAはグッタリと畳に倒れて目を瞑った。
チャックが緩んだ胸元から見える紅い花。
何故かそれから目を離せなかった。
…
「(イレイザーが襲われてる…てかいっつもってどーゆーことだよ)」
「(ちょっとヤバくない？相澤くん大丈…あ、A少年寝ちゃった…)」
「(ちょっと静かにして！起きてるのバレちゃうじゃない)」
「起きてんなら止めろや」
……
この程度ならセーフですかね…
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作者名：花苑 x他1人 | 作成日時：2017年8月29日 19時
