今日は何の日? 3 [∞/短編集]

ファンタジー/∞ ページ13

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貴女は赤ずきん。


お母さんに頼まれた届け物をカゴに入れ、おばあさんの家に出発。


さて、


そんなおつかいの行く手を阻む者は?









横「なぁ、お嬢さんどこ行くん?」


「……おばあさんの家におつかい」


横「偉いなぁ」


「……どうも」


横「よかったら寄り道していかへん?」


「…………」


横「とっておきの場所があんねん」


「お母さんに頼まれてるから結構です」


横「…………」


「…………」


横「…………えーっと」


「他の人あたってください」


横「…………」


「狼さん、さようなら」


横「…………」









正論で断られ、あっけなく撃沈。


赤ずきんは先に進みます。









渋「何してんの、自分」


「……おばあさんの家までおつかい」


渋「ふーん」


「…………」


渋「まぁ、頑張りやー」


「…………ありがとう」









彼は時折、与えられた役割を無視します。


見た目は恐いけど、中身は優しい狼さん。









村「ちょい!」


「…………なに?」


村「今から埋蔵金探しに行こ思ってんけど、一緒に行かへん?」


「…………埋蔵金?」


村「せや、推定６億や」


「６億…………」


村「…………」


「…………」


村「アホ。嘘に決まってるやろ、真剣に悩むな」


「…………」


村「寄り道したらアカンって言われたやろ?せやったら付いてったらアカン」


「…………うん、」


村「気を付けてな」









心配性のオカン気質な狼さん。


これはこれで、ありかもしれない。





[続く]

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