017___H. ページ17
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遊園地からの帰りの電車に乗り込んだ途端
騒ぎまくって遊び疲れたメンバーは、すぐに寝静まった
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那「昨日」
浮「ん?」
那「…やっぱいい」
浮「えー!気になる」
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俺もつられて、うとうとし始めていると
那須が急に口を開いて
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那「連絡繋がんなかったから、どうしてたかなって」
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閉じかけていた目が覚めた
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浮「あー…昨日ね、」
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『今は…俺以外の奴のこと、考えないで』
昨日の大昇の台詞が
脳内で鮮明に再生される
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那「浮所?」
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那須に名前を呼ばれて我に返ると
那「顔赤いけど…大丈夫?」
その手が俺の頰に伸びてくるから、触れる前に咄嗟に避けた
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浮「なんでもない!…ちょっと大昇の家に行ってた」
那「……大昇」
浮「風邪引いてるって聞いて、借りてる傘も返したかったし。それで電話気づかなかった、ごめん」
那「…そか」
浮「あ…もうすぐ着く。みんな起こさないと」
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目的の駅に滑り込む電車が
ゆっくりと停止する間
那須はそれ以上、何も喋らなかった
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方向が別のメンバーと別れて、那須と2人になった帰り道
浮「楽しかったね」
那「うん」
電車を降りてから、口数が減った那須は
俺が話しかけてもいつもみたいに会話が弾まなくて
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浮「大昇いたらもっと楽しかったね」
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俺が言ったその台詞を最後に
足を止めた
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浮「…なす?」
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少し進んだところで俺も足を止めて振り向く
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那「…あのさ、俺」
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那須が
いつもと違う、真剣な目で俺を見るから
俺も、那須の方にちゃんと向き直した
浮「なに、どしたの」
なかなか先を言わない彼の横を
電車が通り過ぎて
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浮「…この間話せなかったこと?」
那「この間?」
浮「買い物行った帰り。俺と2人だったら買い物でも映画でもなんでも良かったって言ってたから」
那「……」
浮「悩みでもあって、俺に聞いて欲しかったのかなって思って」
那「……」
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俯いた那須が
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浮「あ、場所変える?外じゃ話しづらいならどっか店入ってもいいし、」
那「好きなんだ」
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小さく
呟く
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浮「…え?」
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周りの騒音が消えて
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那「俺、浮所が好きだ」
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大昇へのお土産が入った袋が
手から落ちた
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rin(プロフ) - 清良さん» コメントありがとうございます。まだ書き方が掴みきれていなかったのですが、そう言っていただけるととても嬉しいです。次の作品も考えています。よろしければまた読みに来てください! (2019年3月16日 18時) (レス) id: 65dffffafa (このIDを非表示/違反報告)
清良(プロフ) - 完結おめでとうございます!初作品とは思えない程、表現がかっこよくて読みやすかったです!続編書いてください! (2019年3月10日 21時) (レス) id: 7cb81e8898 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - みやびさん» 初めまして。コメントありがとうございます!不定期で気まぐれな更新ですが、暇つぶしくらいになってくれていたらいいなと思ってますが、文章褒めていただいて幸せです! (2018年12月20日 2時) (レス) id: 11a55799f0 (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - はじめまして!いつもこっそり読ませていただいていましたがコメントします、!いつも更新すごく楽しみにしてます( ; ; )rinさんの文章とっても好きです。これからも楽しみにしてます! (2018年12月19日 15時) (レス) id: c306464e9e (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - ほのかさん» 初めまして。コメント残してくださってありがとうございます。お楽しみいただけて嬉しいです! (2018年12月5日 3時) (レス) id: 65dffffafa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rin | 作成日時:2018年10月16日 4時