012___H. ページ12
カフェで一休みしてから、4人で街に出て
藤井くんのお目当の服屋に足を踏み入れた
あんまり藤井くん以外のメンバーは着ないような個性的な店で
藤井くんが服を選んでる間、他の３人で店内を見て回る
.
浮「これとか大昇、被ってみたら？」
大「これ？」
.
俺の指差す先の棚にある帽子を手に取って
大昇が被ってみせた
浮「似合う似合う！ねぇ那須、似合うよね」
那「ん？…うん、似合ってる」
他の服を見ていた那須が、振り向いて頷く
.
浮「ね、俺も被ってみたい！」
大「はいよ。…？」
.
すると
帽子を取ろうとした大昇が首を傾げるから、その背中を覗き込んだ
浮「ん？…あ、服にタグが引っかかってるかも」
大「まじか」
浮「待って、取るわ」
大昇の背中に手を伸ばして、引っかかったタグを取ろうとする
.
瞬間
.
浮「へ？」
.
大昇の背中に触れようとした俺の手を
.
那「…俺がやるよ」
.
パシ、っと
那須が、掴んで止めた
.
浮「うん…？ありがと」
那「ん、はい。取れた」
大「……」
.
帽子を取った那須が
俺の頭にそれを被せる
.
那「うん、浮所も似合うよ」
.
帽子の上から、ふわっと俺の頭を撫でて
柔らかく笑った
.
.
.
.
大昇と藤井くんと別れて、2人で乗り込んだ帰りの電車
浮「結局俺の買い物しかしてなくね？」
那「あんま欲しいものなかったからさ」
浮「それじゃお返しになんないでしょうが」
那「いいんだよ」
浮「何がいいんだよ〜」
深く溜息をついた俺に、那須がははっと笑う
.
那「ーーーーだったらーでもーーったから」
.
電車が、那須の最寄り駅に滑り込んで
.
浮「何？…今なんて？」
.
騒音に紛れたその声に、耳を近づけた
.
.
.
那「浮所と2人だったら買い物でも映画でも、なんでも良かったんだよ」
.
.
.
ゆっくりと那須が電車を降りる
浮「……」
那「今日はありがとう。楽しかった」
何も答えられないまま
ドアが閉まった
.
.
.
浮「……ん？」
.
.
.
頭がやっと追いついてきたときには、電車が加速を始めて
那須はもう、見えなくなっていた
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rin(プロフ) - 清良さん» コメントありがとうございます。まだ書き方が掴みきれていなかったのですが、そう言っていただけるととても嬉しいです。次の作品も考えています。よろしければまた読みに来てください！ (2019年3月16日 18時) (
レス) id: 65dffffafa (このIDを非表示/違反報告)
清良(プロフ) - 完結おめでとうございます！初作品とは思えない程、表現がかっこよくて読みやすかったです！続編書いてください！ (2019年3月10日 21時) (レス) id: 7cb81e8898 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - みやびさん» 初めまして。コメントありがとうございます！不定期で気まぐれな更新ですが、暇つぶしくらいになってくれていたらいいなと思ってますが、文章褒めていただいて幸せです！ (2018年12月20日 2時) (レス) id: 11a55799f0 (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - はじめまして！いつもこっそり読ませていただいていましたがコメントします、！いつも更新すごく楽しみにしてます（ ; ; ）rinさんの文章とっても好きです。これからも楽しみにしてます！ (2018年12月19日 15時) (レス) id: c306464e9e (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - ほのかさん» 初めまして。コメント残してくださってありがとうございます。お楽しみいただけて嬉しいです！ (2018年12月5日 3時) (レス) id: 65dffffafa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rin | 作成日時：2018年10月16日 4時
