第三十七話 決着。 side千優 ページ39
「__お祖母ちゃんッ!!」
「おぉ、千優にたぬき。待っておったぞ。さて、祖父さん。昴。千風」
「……浦田。俺の千優を頼むぞ」
「僕と昴と千風くん、そして来夢ちゃん。そっちは、二人にませるよ」
「!! お祖父ちゃん……」
「千優さんのためなら。精神的にも物理的にも、お好きなように潰して差し上げて下さい。
あぁ、強気な千優さんも愛おしい……」
「と、とんね……千風さん……」
お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、お兄ちゃん、千風さん。
……そして、うらたん。
「……行こう!!」
「おう!」
私とうらたんは両親のもとへ。
残りの人たちは、暁の今までのことなどの会見。
……つまり、精神的に潰すのはあちら側。
物理的につぶすのも一興だけれど←
さすがに、あんな親でも潰したくはない。
……だから、目を覚まさせてあげるんだ。
だって、最初から二人が歪んでるはずがないもの。
気づけば、私は大きなお家に戻ってきていて。
……大丈夫かな……。
今になって不安になるなんて、ばかばかしい……
ほんとにだめな子だなぁ……私……
「大丈夫。千優ならできる」
そんな時、うらたんが優しい声色でそう言った。
それと同時に片手に温もりが伝わった。
……そう。
もう、私は一人じゃない。
りんちゃんが、そらるさんが、うらたんが、お祖母ちゃんたちが……
私はうらたんの手をギュッと強く握り、ドアを開けた。
……そして、二人の仕事部屋へと向かう。
ゆっくりとドアを開ければ、歪んだ顔で腕を組み、こちらを睨む父と
強く手を握り締めて、綺麗な顔が醜くなっている母の姿が見えた。
……もう、負けない。
みんなみんな、ちゃんと生きてる。
「……お母様、お父様。」
「……」
「……」
私は二人の顔を見て、そういう。
すると、二人はひゅっと息を呑んだのが分かった。
私は黙って二人に近づき、背伸びをして
「……本当に、ばかなんですね。私も、あなたたちも」
二人の頬をぱちんと優しくたたいた。
「……な……!?」
「っ、なっ、なんなのよ……!!」
すると、驚いたように目を見開く父と母。
……
「ね、お母様、お父様。私たち、どこで間違ったのかなぁ……
……ごめんなさい、生まれてきて……生意気になってごめんなさっ、!?」
私は言葉をゆっくりと吐いた。
もう一度謝ろうとした瞬間、私の口からは言葉が出なくなった。
「……ぇ……?」
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真美む目も - あ。見ちゃだめだったっぽいね。 (2017年3月8日 17時) (レス) id: 17d230bb65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅色の空&そらうさぎ x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年3月6日 19時