第二十八話 絵本の世界 side ページ30
半泣きで崩れる
満面の笑みを浮かべる狐
ぐったりとした黒猫
絵本の世界のようだ。
何かアニメチックなところがあり、童心に帰りたかった。
でもそんな状況ではない。
人が死にかけているのだから。
私もいろいろあった。
でもそんな私だって小さいときは夢見る純粋な女の子だった。
誰が…運命を狂わせたのだろうか。
「ドンッ!」
力なく狐に乱暴につかまれて、でも痛みは感じなかった。
そして放り投げられる。
「ったく、どいつもこいつも。」
目の前には紅に染まった96さんがいる。
助けたいのに、自分のことで精いっぱいで助けられなかった。
そんな二人を残して足早に狐とその一味は去っていった。
憎い、憎い、96さんを殺した…まだ死んでいないことを願うけど
そんなあの人が許せなかった。
でもそれを言ったら、今の私だってそうじゃないか。
自分で自分が憎い…殺したい。自分を。
自暴自棄になっているのは自覚している。
だけど、本当に…今度こそ…
「ちぃちゃん、また会いたい…よぉ」
あの時も助けてくれたよね。ちぃちゃん。
まさかあんな形で再開できるのとは思わなかったけど、直接会いたいな。
そう…それは、快晴過ぎた夏の日のことだった
第二十九話 逃げない強さが欲しかった side千優→←第二十七話 愛した人、愛された人 うらたside
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真美む目も - あ。見ちゃだめだったっぽいね。 (2017年3月8日 17時) (レス) id: 17d230bb65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅色の空&そらうさぎ x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年3月6日 19時