検索窓
今日:16 hit、昨日:4 hit、合計:4,447 hit

第二十三話 なにもかもが無駄だった side千優 ページ25

ッ……!

「なんでも、ない……」

「違うよね、教えて、」

「関係ない! 信じるワケないでしょう!? どうせ裏切るんだもんね? 嘲笑うもんね?」

「千優……」

私は天月くんの家を飛び出した。最低限、家から出ないから道に迷ってしまうかもしれない。

でもそんなことはどうでもよくて、唯走り続けた。追いかけてくる“何か”から逃げたくて。

立ち止まったら呑み込まれそうで。黒くて深い闇に堕ちそうで……

「あらぁ? アンタはココでなにしてるのかしらぁ? 勝手に家か、」

「煩い! 私はあなた達のお人形じゃない!」

「はぁ!? アンタ生意気になったわねぇ、殺しなさい。」

お母様の一言で黒い人たちが私に飛びかかってきた。いい子はやめた。もう、私は戻りたくない。

「煩い。邪魔なの。」

私は短く言葉を発して相手を思いっきり蹴った。蹴った相手は遠くまで吹き飛んだ。

私は一応喧嘩はできる。お兄様はこの地区で一番喧嘩強いからずっと見てたんだ。

それに、ルカも強かった……

「オラァ!」

さすがに人数が多い……逃げなきゃ、ッ!?

瞬間に背後から物凄い殺気を感じて右腕に激痛が走った。

「ぅ……お父……様……」

なんとか後ろを振り向くと紅く染まったナイフを持ったお父様がいた。

そのナイフで私を刺したんだね……痛みの中ふらふらするからだを持ちこたえて、悲しくなる。

否、悲しくなる“振り”をする。

プルルルル……ガチャ

「なんだ? 孤児院の方か。捕まえたんだな。よくやった。あ? 殺した構わない。娘?
俺らが躾するから待ってろよ。あぁ、あとは頼んだぞ。」

暁グループ、私の両親が建設している孤児院のことだろう。

ちょっとした事件があって、経営が難しくなったのかその子を殺す気なんだろう。

私は同情もできないし、可哀想とも思わない。唯、そういう運命なんだなって……

「雪城 梨花……か……このためだけに仲良くしてやったんだ。感謝することだな。」

「そうよね貴方!」

雪城 梨花……スノーちゃん!?

「梨花ちゃんを、殺す、の……!?」

「お前には関係ない。」

プルルルル……私だ。

「もし、も……し?」

「エレン? 久しぶり。元気にしてた?」

「ルカ……なの……?」

「そうだよ。あなた、勝手に俺を殺さないでね。両親になにか吹き込まれたんだろうけど。
陽平も、生きてるよ。それと、今もしかして両親に遭遇した?」

「うん。刺された。」

「はぁ!? ちょ、はぁ……今行く、頑張って耐えて」

「うんッぅ……」

エレン……久々に聞くな。千優にも眞にもなれない私にルカが付けてくれた名前……

第二十四話 死が怖くなったあの日 side千優→←第二十二話 親と同じ方法で side梨花



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.7/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 合作 , ミミックスノー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

真美む目も - あ。見ちゃだめだったっぽいね。 (2017年3月8日 17時) (レス) id: 17d230bb65 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅色の空&そらうさぎ x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月6日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。