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「はぁ?何こいつ。何思って伊吹といるか知らねぇけど、部外者が口挟むなよ。」
「どの口が言ってんだ。
伊吹がイキった?どこをどう見たらそうなる?伊吹の味方がくだらねぇ?お前らの方がよっぽどくだらねぇだろうよ。」
いつになく低い声で話す圭。
その顔からは、微かな怒りが見て取れた。
「私の友人に手ぇ出してんじゃねぇよ。捻り潰すぞ。」
圭のまるで冷気を纏ったような声に驚いたのか、高校生3人は舌打ちをして去っていった。
「……行くぞ。」
圭のその一言で、みんな静かに歩き出し遊園地を出た。
誰も、何も話さなかった。
暫くしてSouが口を開く。
「Eveくん、話していい?」
「……うん。」
Souの話を要約すると、Eveは中学で虐められておりあの三人を避けるためここの高校を選んだという。
「ほんと、ごめん……」
「何でEveが謝んの?」
「そうやで!謝るんはあいつらや!」
「どこにEveが責任感じる必要があんの。」
「Eveを責める必要なんてないだろ。」
「……うん…、ありがと。」
ようやく、Eveは笑った。
だけど、視界の端に映った圭の顔は、何故か歪んでいる気がした。
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作者名:ふゆち | 作成日時:2021年3月27日 2時