全日本男子達のコイワズライ【*Short story】

episode 36【西田有志】® ページ38

「匠先輩っ…」



手を強く引っ込める。



やばい絶対見られた


え？なんでいるの？もしかして同じお店で食べてた？

なんで気付かなかったの



匠先輩「どうしたの？」


有志がこっちへ向かって歩いてくる


『…この人誰ですか？


なんで手繋いでたんすか。』


「えっと…サークルのせんぱ…」


上から声をかぶせる

匠「もしかして彼氏さん？はじめまして。匠でーす。

俺、Aちゃんの元カレでした」


匠先輩いぃぃいいい！？？



『…は？』



「あー、…」


事実だけれども、！！


タイミング悪すぎる

『…別に元カレとか今関係ないですよね？


匠？さんでしたっけ。

今は俺が彼氏なんで、変に触れるのやめてもらっていいですか？』


がるると聞こえそうな威嚇具合。



『行きましょ。』と言って私の腕を掴む。



「わっ…すいませんこれお代です。」


匠「彼女さんかわいいねー泣かせたらダメだよ？」


と言って私が出したお金を匠先輩が受け取る



『黙ってもらっていいですか？』


「有志っ…」



『てか一生離すつもりないんで』と付け加える。





そのまま腕を掴まれながら店を出る。



着いた先は有志の合宿先の部屋で


ラグに並んで座る




「有志…」


声をかける



俯いて黙り込む有志



すると



『俺じゃダメですか…』




そう言って私の手を大きな両手でギュッと握る。

「…え？」



ぽつぽつ、と話し始める



『俺、不安なんです。年下で歳も離れてて、大学だって違うし、俺ちゃんと彼氏の役目できてますか？』



不安な瞳で私を見つめる



「年下とか関係ないし、大学に行ったって有志以外の男の人全然興味ないよ。

さっきの匠先輩も大学入学したときに1カ月だけ付き合ってたけどそこに気持ちは全くなかったよ。」


だって



「私有志のことしか見えてないよ


有志が好きだよ」



有志の目を見つめながら伝える。


『っ…』



刹那


「…わっ」



腕を引かれ、目の前には有志の胸板で



心臓の鼓動がとくとくと聞こえる




しばらく抱きしめあっていると




『…キス…してもいいですか』




コクリと頷く


顔との距離が零になったとき



『…っ』


「んっ…」



『くち…あけて？』


「ふぇっ…んっ」

口内に舌が入ってくる

歯列をなぞられる


く、くるし…い


頭を離そうにも耳の後ろを手でしっかりと抑えられている。



「ゆっ…じ…」


両手で有志の胸板を押そうとするが、

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