全日本男子達のコイワズライ【*Short story】

episode 26【柳田将洋】 ページ28

そんな願いも束の間だった。


練習前の各々ストレッチの時間。


私は今日も選手の資料とにらめっこしている。



突然放った高橋くんの何気ない一言は周りをざわめかせるには十分だった。



高橋「祐希さん彼女できたって本当すか！？」


「ぇ…」



『祐希…マジ？』


石川「え！？あ…うん。昔からの幼なじみの子だよ。


告白されて付き合うことにした。」




見える。私には見えるぞ。


(*´ー｀*)←きっとこんな顔で返事したんだろうな…




ﾁｮｯﾄﾏｯﾃ。私の初恋砕けるの早すぎない？？



初めて人を好きになって、応援したいって思った矢先、この報いって何？



…ヤバ涙出そう



「すみません…


ちょっとお手洗い行ってきますっ」


『わかった。』


キャプテンの柳田選手に一言言って体育館から飛び出る。





人気のないちょっとした休憩スペースの椅子に腰掛ける。




「あーつら」



いい年だからもう昔みたいにわんわん泣かないけど、



だめだ、こんなところで泣くな









『…泣いてるんすか？』



ﾋｭｯ(涙が引っ込む音)



あっっっぶねぇ…！なんかわからんけどこの人にだけは泣いてるところ見られたくなかった…


「べ、べつに。泣いてないですけど」



『あいつのこと好きなの？』



「…は、！？


石川くんのことなんか好きじゃないですけどっ！」



あ、まって、自分で墓穴掘った



「いや、違います、そうゆうことじゃなくて…

だから…えっと…」



だめだテンパリすぎてもう何言っても説得力なさすぎる。



『ふーん』



『…西上さんも泣くんだね。

てか、祐希のこと好きだったとかちょっとビックリ』




自分より高い身長を見上げる。(私的には睨んでる)



「なんなんですか？」



『いやおもしろいなって思って…

あ、俺のことマサってよんでいいよ。』

そういってケラケラ笑うあいつ



は？



は？

呼ばないし！
あと全っっっ然おもしろくねーから！！！




『まあいいや。ほら練習戻るよ。涙も引っ込んだことだし』






『あとこれあげる』そう言って渡されたのはリンゴジュース。




「え？あ、ありがとう…ございます…」



なんだ優しいとこあんじゃん。



ちょっと見直した。ちょっとね？？




.



.



＿＿＿＿＿＿＿＿＿


まだ続きます。

短編のくせにちょっと長くなりそうですすみません。

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