悲恋と徒情け (ページ3)

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新入団選手達を祝う飲み会に渋々参加させられ、一人気まずく座っている
現役ドラフトで最近入団した私だから仲良い人が要るわけもなく、一人ちびちびとお酒を呑んでいる

周りはお酒か入ってるせいなのか騒がしい、新人選手にダル絡みしてる先輩がいる、苦笑いの新人選手達

「Aさんだっけ？…」

「あ、はい、…そうですけど……？」

「まあ…これから色々あるかもだけど宜しくね、あ…俺中野っていいます」

元々名前は知ってたけどあまり喋ったことがなかった、最近移籍したこともあってか話しかけずらいのだろう

「よろしくお願いします…」

「あー…タメ口でいいよ～これから一緒に戦っていく仲だしね」

「え、あ、はい、……うん？」

ずっと敬語で生きてきた身としては慣れない感覚だなと思いながら中野さんと会話を色々する
兄のことを話したり憧れの選手の話をしたりと談笑した

「お、いつの間に仲良くなったん？」

「お、てる」

「え、あ、初めましててるさん…」

中野さんの肩に手を置いて私の方を見てくるてるさん
笑顔が素敵な方だなと思っているとてるさんの方から話かけてくれた

「なんかあったら俺か拓夢に相談してもええからね、なんならチカさんとか大山さんもすぐ相談乗ってくれるから、Aさんピッチャーやけど全然遠慮とかせんでええからね」

「あ、ありがとうございます」

「てるってこんな優しかったか？」

「いつも優しいやろ！」と中野さんに突っ込んで私の横の席に座った

「いやあ…中日から移籍かあ～…中日に仲良くしてた選手っておるん？」

「えっと…岡林くんとか…柳さんとか高橋宏斗くんとかかな～…」

「へえ～そうなんや、移籍するって聞いて向こうも寂しかったやろうなあ…」

てるさんと中野さんに言うまでもないが岡林くん号泣してたなと思い出す
中日の中で一番仲良かったからな…

みんなどうしてるかな…