彼のかわいい･Lily ページ49
たまに連絡が来て、
会える度に嬉しくて舞い上がって
地に足つかない状態のまま時間が別れを告げに来て
彼を攫うように新幹線は来てしまう
｢次東京の仕事出来たら連絡するわ｣
『うん、待ってます、、あ』
｢いつまでたっても敬語抜けんなAは｣
『やっぱり慣れない、です』
｢真面目やな、かわいい｣
『将企さんが言う可愛いタイミングわかりません、、』
｢可愛いいなと思った時に言うてるだけやから俺もわからんよ｣
『ますますわかんないです、』
｢はは、かわいい｣
『う〜…わかんないですって…』
無邪気に笑う彼につられて私までマスクの下の口角が緩んでしまう
｢そのマスク、やっぱり外してくれん？｣
『あ、それは嫌です』
｢じゃあ俺以外にその顔見せんといてな｣
『…？どんな顔ですか？』
｢……そんな顔｣
『…よくわかんないけど新幹線、来てますよ』
｢あ、ほんまやAに見惚れとって気づかんかった｣
『わかりやすい嘘つかんといてください』
｢あ、訛った。かわいい｣
『……つられただけです！』
｢はは、隠さんでもいいのに｣
｢じゃあ乗るわ、またな。次俺が来るまで良い子にしとれよ｣
『…はーい』
｢そんなに寂しそうにせんでもまたすぐ来るって｣
『…いいましたからね』
｢おう｣
最後に息ができないほど抱きしめられて
全身彼の匂いでいっぱいになる
去り際に毎回されるせいで私は帰り道もずっと彼の事が離れない
新幹線の窓から手を振られ、振り返すと
マスク外して？とジェスチャーされる
静かに頭を振ると
私は彼のお願いが断れないことを知っているのか
お願い！と手を合わせて頼んでくる
俯き気味にマスクを外した私の顔を見た彼はとても嬉しそうににやけて
“ か わ い い “
と口パクで伝えてきた
恥ずかしくなりマスクを元に戻すが
窓越しの彼は悪戯げに笑って
“ ま た な “
なんて言葉でまた彼の懐に戻されてしまう
ここから遠く離れた大阪に向かって新幹線が走っていく
見えなくなるまで見送ったあとの帰り道
一人で泣いた
彼は向こうに帰ってからまた違う
抱きしめられてついた匂いは洗濯すれば、シャワーを浴びれば落ちるのに脳裏に焼き付いた記憶はなにをしても離れない
ふと携帯に目を落とすと
清水将企今日も楽しかった!ありがとな!無事家ついた?
と入るLINEが目に入りまた泣いた
そして心に決めた
彼の『かわいい』で居よう
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uirusu-0(プロフ) - Shadyさん» はじめまして！そんな…！ありがとうございます！｢すきなところ｣は人によって受け取り方が違うと思っていたので気に入って頂けて嬉しいです…！リクエスト承りました！次の短編集で書かせていただきますので良ければぜひそちらで！ありがとうございます！ (2021年4月24日 2時) (
レス) id: d5cf02e88c (このIDを非表示/違反報告)
Shady - はじめまして！いつも更新楽しみにしています！特にお気に入りのお話は「すきなところ」です！リクエストお願いしたいのですが、夢主が不良達に絡まれてるのをボロボロになりながらもリリーさんが庇って守ってくれるというお話が読んでみたいです！ (2021年4月23日 0時) (レス) id: a07b54dd9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菌保持者 | 作成日時：2021年2月20日 0時
