【 CS 】酔生夢死【東カニ】 (ページ40)

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□ ページ40

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□ 過去

百瀬は赤川家の人間ととある女性の間に生まれた子供である。赤川家出身の父は家柄が非常に厳しい人らしく、父と母は子供ができたくせに、父は面倒を見ることができないと早々に匙を投げ、2人は百瀬が産まれる前に別れた。母に引き取られるも、母は百瀬のことを父と自分を繋ぎ留めておくための手段としか見ていなかった。父のことが好きだったのではなく、子供がいることを父の家系の人間にバラすという脅し紛いのことをして金銭を要求していたようだ。まともに働いていないのに、何故か生活ができていたのはそれがあったからなのだろう。

そんな生活の1年後、母はとある男性と結婚する。その男性に付き添うように東京から関西の田舎に引っ越すと、またその1年後には、父であった人と離婚していた。その頃、再婚した母と父の間にできた男の子がいた事を百瀬は薄らと覚えていたが、離婚の際に男の子は離婚した父親に引き取られてしまったのでそれ以来会うことは無かった。その頃の百瀬の苗字が「鐐」だったことは何故か今でもよく覚えている。
そのまま何年か関西の再婚した男と過ごしていた場所とは別の場所で暮らし続けたものの、母にとってまだ手のかかる状態の百瀬は気に入らなかったのだろう、早々に育児放棄のような状態になってしまう。

その後は、一時的に児童相談所のようなところに保護されたり、孤児院に行ったりもしたが、最終的には母が世間体を気にしてもう一度手元に置く、という生活が何年か続いていた。

物心が着く頃には、母は家にいない生活だった。机の上には紙幣が1枚あったり、硬貨が1枚だけ置かれていたりする生活だった。キツい香水の香りがして、派手なワンピースがベッドの上に散乱していたのをよく覚えている。
狭いアパートにやってくる男の人の顔は毎回違っていたが、その男の人たちを百瀬に紹介するセリフは毎度同じ「これから百瀬のパパになるかもしれない人だよ」。紹介される度に百瀬は自身に触れようとしてくる男たちが気持ち悪くてそれを聞く度にすぐ自室に戻っていった。

百瀬が中学生になった頃には、母は1週間に1回帰ってくればいい方で、1ヶ月丸々いないなんてことも多かった。置いていってくれるお金だけでは足りなくて食事を抜いて生活している時もあった。百瀬のお金への執着は元を辿るとここに辿り着くのかもしれない。

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