monologue Ⅱ (ページ8)

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人の家の前で寝てたり、エントランスで寝ちゃう人の
言うことじゃないって返しながら布団をかけた。

追い出されもせず、出て行きもしないこの状況が
余程嬉しいのか子供みたいな顔して顕嵐は寝た。

無音にならないようにテレビを点けてから
私も目を閉じる。

隣から感じる体温に心が落ち着いて眠りに就いた。

それなのに、どうしてだろう… ？

穏やかな気持ちで落ち着いて眠りに入ったのに。

映し出される鮮明な情景は
カラーなのにモノクロかと思うほどに暗い。

悲痛な叫び声と私の身体を包みこむ体温。

それまでの喧騒は時が止まったように静まり返る。

「お前のせいで、殺されたんだよ」
「お前のせいで、死んでいくんだ」

一瞬の静寂のあと、鼓膜を揺らしたその音を最後に
私の世界はモノクロへと変わったんだ。

……なんて目覚めの悪さだろう。

時計を見ればまだ４時で。起きるには到底早い。
かと言って、再度眠りに就く気にもならない。

今は、誰かのそばに居るのも気が重い。

そっと部屋を出た。

リビングでブランケットに包まりながら
温かいコーヒーを飲む。…弱気になりたくなくて。

無の世界に溢れ出てくるたくさんの綺麗な思い出を
コーヒーの苦さで流し込みたかった。

綺麗な思い出すらも消してしまいたかった。

だって、その思い出たちの末路はあの悲劇だから。

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