monologue Ⅱ (ページ48)

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紫「元気ないなぁ？
Aって何したら元気出る人なんやろね？」

私の目の前でニコニコしている紫耀。
どうしたの？とか、そんな言葉はかけてこない。

いつだってかけてくれる言葉は前向きなものだ。
前に進むために必要な言葉をかけてくれている。

顕嵐の腕を離した。

顕嵐の為にやったつもりになっていたけれど、
結局は自分が責任を負いたくないだけだと気付いた。

それに気付いた時、急に自分が冷たい人間に思えて。
だけど、灰色の世界で生きる私はこんな人間だった。

それを思い出したら今度は、自分の世界に
少しづつ色が戻っていることにも気付いた。

気付かないうちに、狂ってしまっていた。

自分の世界も、私自身も。何もかも。

何年もしていた同じ生活、" 私 " という役すらも
ブレにブレが重なってもはや原型を留めていない。

『 ………わかんない。もう、わかんないよ、』

紫「わかんないまんまの Aでもええよ、俺は。
わかんないことぶちまけてみたら？」

『私、元の自分に戻りたいよ……… 』

元の自分ってどれのことだろうか？

灰色の世界で生きていた私？それとももっと前？
もっと前の自分ってどんなだったっけ？

わからないよ、何もかも。

灰色のままならこんな混乱もしなくて済んだのに。

やっぱり、幸せとは何も起こらないことだ。

だってあの時の私は…
こんな想いも、悩みも、抱えていなかった。

こんなに感情が動くことだって無かったのに。

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