monologue Ⅱ (ページ45)

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廉「ほんまに先、行ってもうたわ… 」

少し遠くで友達と騒いでいる紫耀を見て呟く。

その紫耀の姿は、今までと何ら変わりなく思える。
が、廉の目にはそう映っていないんだろう。

先に行く… ねぇ……？紫耀が先に行くというより
私には廉がずっと足踏みしているように見える。

確かに、
紫耀は自分にケリつけて進んだのかもしれないけど
一般的に見ればスタートラインに立っただけの話だ。

『じゃあ、廉も先に進んだらいいんじゃない？
進みたいと思ってんなら、の話だけど』

廉「出来たらとっくにやってるわ。
そういうAはどうやねん？進まんの？」

『私は別に何も望んでない。今のままでいい』

聞いてきたクセにあっそ。って一言で片付けられた。
掘り下げられても面倒だし、いいんだけど。

私に話してくれた話を、紫耀が廉にもしたのかは
知らない。わざわざそんなこと聞かないから。
勿論、私が勝手に話すことはない。

もし話してなかったとしても、いずれ紫耀は
廉に話すだろうと思う。

紫耀の中で、周りに居る人と廉とでは違うから。

その違いに廉が気付いているかは定かではないけど。

廉も私も、紫耀の中では特別なのだ。
この間の話を聞いてやんわり、でもしっかりと、
その想いは伝わってきた。

自分で気付かなければ無意味だし、
反抗期みたいな態度の廉には何を言ったところで
今は届かないだろう。

だから、早く気付くといいなと思う。

どんな廉でも、例え何も知らなくても
大切だと思ってくれる人が居るんだってことに。

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