monologue Ⅱ (ページ43)

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勝手にペラペラ事情を話すだろうと思っていたけど、
案の定聞いてもないのに話出した。

電車の中でするような話じゃないとは思う。

だけど、話たいタイミングで話せばいい。

きっと勇気を出して話出してくれたんだと思うから。

そっか、とか。そうなんだ、しか言えなかった。
だって本当にそれしか出てこなかったから。

どんなに紫耀の痛みを想像しても、わからない。

心の痛みも、身体の痛みも、私は経験してないから
どうしたってわからなくって。

大切な人の失い方だって違うから、
下手に安っぽい言葉かけられなかったんだ。

想像したら、その出来事全てがツラいけど
きっとその想像なんて遥かに超える程ツラいから。

わかるよ、って思うけど、わかってあげられない。

そのちょっとの差がすごくもどかしかった。

傷に寄り添う時って、どうしたらいいんだっけ。
私はいつも流星に寄り添ってもらうばかりだった。

こんな時、流星はどうしてくれてただろう？

真似事みたいなことしか出来なくてごめんね。
私にはこれが精一杯なんだ。

付き合ってくれてありがとう、と言う紫耀の手に
自分の手を重ねた。思いっきり握った。

流星みたいに抱きしめることは出来ないけど
人の温もりが安心出来ることもあると思うから…

握った手の上に、涙が落ちてきた気がしたけど
私は何も見ていない。見ないフリをした。

…ねぇ、流星。私の傷に寄り添う流星には、
誰か寄り添ってくれる人はいたの？

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