monologue Ⅱ (ページ40)

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紫「俺、今… 新しい両親と元気にやってるんです。
あの子に、それを伝えてもらえませんか？」

「 ……そうか、紫耀くんも解放されたんだねぇ。
あの子ももう少し耐えられたら、紫耀くんのように
解放される未来があったかもしれないのに、」

紫「俺みたいに、って… どういうことですか？」

やっぱり自分のことは言ってなかったのか、と
呆れ笑いながらおじさんは彼女のことを話し出した。

それは、俺がイメージする彼女とは別人だった。

彼女の両親は小さい頃に離婚したそうだ。

母親は一生懸命働いて、一生懸命愛情を注いだ。
その愛情は彼女を真っ直ぐ優しい子に育てた。

幼馴染がいたらしく、寂しくならなかったのは
その子のおかげもあっただろうと言っていた。

そして、彼女が４年生の頃再婚したらしい。

最初こそ優しい父親だったその人は
彼女が６年生になった頃から変わり始めた。

＿＿＿性的暴力

母親の居ないときを見計らって、行われていた。

母親が居る時は、優しい父親。

そんな父親のことを、母親が愛してることを
娘である彼女はわかっていた。

だから、母親に助けを求められなかった。

優しく育った彼女は、優しすぎたのだ。
母親を傷付けたくない思いが、彼女を傷付けた。

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