monologue Ⅱ (ページ17)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:114,160 hit

67 ページ17

.

相手に自分がどう映ってるかなんて、わからない。

私は周りには可哀想な子に見えてるんだと思ってた。
だから、平野は私に声をかけてくるんだと思ってた。

羨ましいなんて言葉は私に似つかわしくないけれど
何も知らなければ、周りに流されない芯のある子と
見えなくもないのかもしれない。

廉だって、クールな一匹狼とでも思われていそうだ。

廉「そんなもんやめたらええやん。
しんどい思いして、何も満たされへんのやったら
無理して続ける必要ないやん」

全然クールな一匹狼じゃないんだけどね。

何があって周りに人を寄せ付けないのかは知らない。
でも、元々は、平野がなりたいと願ったような人。

みんなの中心に居て、優しくて熱い人。

…少なからず私の目に、廉はそう映ってる。

『平野はそのままでもみんなから愛されるよ』

私の言葉に２人とも目を見開いた。

廉の優しすぎるところと熱すぎるところが
少し移ったのかな。らしくないや。

平野じゃなくて紫耀って呼んで！って言うから
じゃあ、Aちゃんて呼ばないでって。

わかった！ってわかりやすく喜ぶ姿に
耳と尻尾が見えた気がした。なんか犬みたいだ。

…紫耀は優しくて温かい人だと思う。

優しさも温度も、廉とは少し違うけど。
それぞれの良さがある。それでいいと思うんだ。

.