ネガイゴト (ページ14)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:24,123 hit

14 ページ14

.

謙ちゃんと一緒に居られるのも残り少なくなってきた。
というのに、最近はひとりで屋上に居ることも多い。

３回目のサヨナラが、すぐそこまで迫ってる。

謙「よくこんなクソ寒い中屋上に来る気になるよな」

やっと見つけた、ととびっきりの笑顔。

もういいよ。そんな表情、私に向けないでよ。

私だけ忘れられないなんてツラすぎるから…
だからもう何も残していかないで。これ以上残さないで。

謙「最近よく居なくなるからさ。いつも探してた」

『空… 眺めてたの。あの雲に想い乗せたら
ふわ～って飛んで、想いごと届いたらいいのにって』

謙「届くよ、きっと。
今みたいに昼間は雲に想いを乗せてさ、
夜は星に想いや願いを乗せて。そしたら届くよ」

『 ……謙ちゃんにも、届く？』

謙「俺には直接言えばいいじゃん」

直接言えなくなるじゃん、なんて言いたくなかった。
スカートをぎゅっと掴んで言葉を飲み込んだ。

雲や星に託した想いを届くと言い切る謙ちゃんだ。
きっと、私の飲み込んだ言葉なんてお見通し。

すぐそばまで来ているお別れまでに
いくつ大事な想いを伝えられるだろう？？

.