2夜 何時も通りは壊させない ページ4
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太宰「……そう。じゃ、また後でね」
そう云った太宰は私の家を後にした。
折角作った目玉焼きトーストが冷めてしまった。
冷めてしまっては美味しくもないので
生ゴミ用のゴミ箱に捨てる。
食欲も消え失せてしまったから
此方としては都合の良いモノに変わったけれど、
材料が無駄になるのはやるせない気持ちがある。
__何時も通り__
其れが一番良い。……何も変わらず ¨ 今 ¨ が
永遠に続くのが。其れがきっと ¨ 幸せ ¨ なんだよ。
嗚呼、 ¨ 幸せ ¨ って何だっけ。
また一つ分からないモノが増えた。
そして此れが分かるようになる事は
何時も通り__を壊させない為に
私の出来る事をして日々を謳歌しよう。
其れが良いでしょう
壊れた私。壊れていく私。
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乱歩「下手に何時もを考えるな、A
既に壊れた部分があったとしても
此れ以上壊れていくのは許さない。」
入社して、珍しく誰も居ない社内に
只一人だけ居たようで、入社早々に云われた。
きっと、全てを知っている人に。
其れでいて、私の邪魔を ( 私を助けようと ) する人
『そんなの、あの時から分かってる。
其れでも、壊れてはいけないモノがあるんだよ
其れが、この ¨ 何時も通り ¨ 。』
乱歩「太宰に云ってもいいの。
どのみちバレるのだから
今云ったって変わらないよね。
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そろそろ分かれよ、A。
此のままじゃ君がどうなるか考えろ
僕らはAを見捨てない。」
そうやって、 ¨ また ¨ 壊すのですか。
あの人のように、あの時のように。
其の言葉を云ったら全てが壊れる気がした。
『………知ってる。全部、理解はしてるんだよ』
此の場に誰も居なくて本当に良かった
でも、何故 乱歩以外居ないのだろう
情報収集に行っている事も考えられるが、
探偵社員全員で行くなんて事………
福沢「情報収集に行っている者と
買い物に行っている者
太宰を探しに行っている者
様々な理由で皆は出掛けている。」
私の考えの答えを答えてくれたのは社長だ。
私の異能力を持っている訳じゃないのに
どうしてこうも思考を読み取れるのか。
『社長…』
福沢「余り、考えすぎるでない
其れと Aも情報収集をしてこい。」
其れは社長の独断…?
『……わかりましたよ。』
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作者名:青空と雨 | 作成日時:2019年8月19日 14時