波打ち際の外伝【赤】 (ページ5)

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そういえば、
そんな話をいつか電話でしたことを思い出す。

「夏休み始まったらすぐ帰る言うてたし、再来週とかちゃうかな？」

彩「ほんまー！そしたら望くんも誘って遊び行かなあかんなぁ！」

「ほんまやなぁ！また大毅にハッキリした予定立ってるか聞いてみるわ。ま、その前に来週テストやけどな…」

楽しい話題から一転、
ハハハ…と乾いた笑い声が出る。

彩「ん？なんか鳴ってへん？」

「んー？あ、私のにメッセージきてる…」

音を立てたスマホを開く。
ちょうど高校のお昼休みの時間やし、
先生かな？

「…やっぱり」

スマホの画面に映った、
『濱田崇裕』の4文字に、思わず笑みがこぼれる。

彩「はいはい、先生やろ」

「よくお分かりで」

彩「すーぐ顔に出るから分かるわ」

親友からの苦言を笑って誤魔化しながら
メッセージを開くと…

「え…また？」

彩「どうしたん？」

一気に雰囲気の変わった私の声に
彩が心配そうな顔をした。

「また、仕事で会われへんって…」

彩「え！また！？」

「もー…最近こんなんばっかりや…」

そう、最近こんなんばっかやねん。

すれ違ってばっかり。

付き合いたての頃はめちゃくちゃ会えてたのに、

最近は何かと仕事仕事で約束しても全然会われへん。

「なんでなん…高校やって休みやろ…」

彩「A…」

少し暗くなった空気にハッとする。

そうや、彩に心配掛けたらあかん。

「ごめん！なんか暗くなってもーたな。
あー今晩電話して思いっきり文句言うたろ！覚悟しとけやあの馬～」

彩「馬てアンタ…まぁ、なんかあったらいつでも話きくから言いや？」

「おん！ありがとう」

そうして、
その後しばらくまた別の話をして
彩と別れた。