うぎょるぎゅ

50.ため息(KH) ページ50

宿舎に帰り着いたのは深夜3時だった。


シャワーを浴びて、ベッドに倒れこむ。
ああ。

頭がAでいっぱいだ。
余裕がない。

本当はAが眠るまで・・できるなら朝までずっとそばにいたかった。

・・・そんなことできないけど。


KH「・・はぁ。」
ため息が出る。


今日のあの男。
相当怖い思いをしただろうし・・
きっとAには大切な人だったんだろうから。
眠る前にはあいつのことを思い出したりするんだろうか。

そう思うとなんだかモヤッとして、
Aの頭の中にも、あいつだけじゃなくて僕の居場所を作ってほしくて。

帰り際、ちょっとだけ、彼女の額にキスをした。


・・愛しくて。


自然と、口をついて出てしまった言葉。

「笑った顔が一番好き。」


Aの笑顔が好きだ。

彼女の笑顔を見ると、
自分が思い悩んでいたことが何でもなかったかのように思える。

笑顔が曇っているとき。
心配で。
笑っていてほしくて。

なんていうか。。
守りたい。
そう思う。


・・・・なにこの独白。
自分で思ってて恥ずかしくなってきた。


KH「・・はぁ。」
またため息。

すると隣のベッドでソンミニヒョンがくすっと笑った。
え。起きてた？
あ。起こした？


SM「何、キュヒョナ・・。でっかいため息。恋の病？(笑)」
少し眠そうな声のヒョン。

KH「・・起こしましたか？すみません。」

SM「いや、大丈夫。今日遅かったね。ウギョルだったんでしょ？送りオオカミでもしてきたの？」

KH「・・そんなんじゃないですよ。」

SM「否定しないってことは送ったのは送ったんだ？今日マイカーだったもんね？」
ヒョン、どうしてそんなに鋭いんですか。。


SM「ね、部屋には入れてもらえたの？？」
眠そうだったくせに。
もう黒笑いですか。

KH「・・そんなんじゃありません。」

SM「ぇ。入ったんだ。びっくりした。」

KH「！・・どうしてそうなるんですか。」

SM「だって否定しないから。入ってなかったら入ってないって言うでしょ。」
なんですかその理屈。
そして正解だから余計嫌です、ヒョン。


KH「・・寝ます。おやすみなさい。」

もう無視だ。無視に決定。

SM「キュ〜ヒョ〜ナ〜〜〜！気になるでしょ。どうしてため息なの。つらいの？話くらい聞くよ？」

一切返事をせずそのまま放置したけれど、
ヒョンの気持ちはうれしかったですよ。
愛してますよ、ヒョン。
言いませんけど。

もう一度Aの笑顔を思い浮かべて、眠りについた。

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