うぎょるぎゅ

25.理由（KH） ページ25

ごはんも食べたしもう終わりかと思っていたら、
夜、眠りにつくまでのシーンも撮るらしい。

なぜかご機嫌のPD。
今回は完全に彼女が熱を出した！と全面に押し出して編集し、疲れた妻を癒す夫キュヒョンの姿を少しラストに入れたいのだとか。


寝室に移動してスタンバイ。
僕はベッドに腰掛ける。
パジャマを着たAがベッドに入ってこっちを見てる。
ナチュラルメイクに変更して、本格的に家で眠りにつくといった様子を出しているみたい。


・・・・・・・。

これは、ちょっと。。。

キツイかも。。。

人知れず、横髪を確認し、なにげに耳を隠した。
だって無理でしょ。・・赤くなるでしょ(笑)。

そんな僕の胸の内を知らない彼女は平然としている。

「オッパも疲れてるのにごめんね。なんか自分だけお布団に入っちゃって・・・撮影なのに楽ちん(笑)」
とかさっきまでの神妙な顔が嘘みたいだ。

・・まぁ元気ないよりはいいけれど。

KH「・・何。寂しいなら僕も入ろうか？」

自分だけドキドキしてちょっと悔しいから、少し顔を近付けてからかってみる。
そうするとAは少し慌てたようにもごもご言い出す。

「いや、そういうつもりじゃなくて。。やだなぁもう。」
ぷっと膨れた頬。
やっぱり、かわいい。

目がおかしくなったのか。
彼女のなにもかもがかわいくて愛しい。

撮影が始まった。

カメラの前だと思うと少し躊躇したけど、
撮影が終わると個人的には聞けないかもしれない。
夫として確認したかったことを聞いてみる。


KH「・・今日、どうして泣いたの。」
「え？」

KH「ベッドに運んだ時。なんか僕のしたことがまずかったのかと思って。気になる。」
「・・・。」

黙り込むA。布団から半分だけ覗いた顔。
言いたくないのかもしれない。
しつこいと思われそうだけれど、もう一度聞いてみる。


KH「正直に言って？何がつらかったの？今後も気付かずに泣かせるわけにはいかない。」

Aに泣かれるのは困る。
傾向と対策を知っておきたいでしょ。
今後のために。

すると、ようやく口を開いた彼女。
「・・オッパのせいじゃないよ。いや、オッパのせいだけど。」

・・え。どっち？？

「・・体の調子が悪いときって感情の振れ幅が大きくなっちゃうでしょ。ちょっとしんどかったから・・『つらかったでしょ』って言ってくれて・・オッパが優しくてうれしかったの。」

このとき、僕はどんな顔をしてたんだろう。
また、彼女に堕ちた自分を自覚した。

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