うぎょるぎゅ

21.できることは全部(KH) ページ21

さて。
マネヒョンに頼んでいつもお世話になってる看護師さんを呼んでもらい、Aに点滴を打ってもらう。

静かに眠るA。

涙のあとをそっと拭って、

・・・・・僕は電話をかけた。

そう。
僕には大きなミッションが。

KH「リョウガ〜。助けて〜。」

何とかPDの許可を取り付け、僕の提案が通ったのはいいけど・・・・
ごはんを作らなければ。
どうしよう。

料理とか、ほんとに無理なんだけど。


でも番組的にも僕がそうしないと今日の分の尺が埋まらないはず。。。
逆にドラマのときでなくて、今でよかったかも。
仕事に穴をあけなくて済んだ。
夫婦生活だから、そういう場合にどうするかで十分番組にはなるはずだし。

よし、彼女のためだ。
起きた時、心配事がたくさんあったらつらいはず。
僕だって、しんどいときはメンバーに本当に助けられたから。

できることは全部してあげたい。


・・・なんだかそんなこと考えてる自分に笑える。


その後、リョウクに詳しく材料と作り方を教えてもらい、
買い物ロケへ出た。

Aには、彼女のマネージャーさんと数人のスタッフがついててくれるみたいだ。
早く帰って、早くご飯を作ろう。

目覚めたとき、そばにいてあげたい。
たとえ彼女が僕を恋人として必要としてなくても。
今だけは、そう、この番組の中では夫婦なわけだし。


慣れない買い物を済まし、まだ誰にも使われてないキッチンでおろおろと料理を始めた。

必死で作って、すごく時間がかかった割には、
見栄えのよくない雑炊ができただけだけど。

うん。まぁ頑張った。

寝室を見に行くと、Aはまだ眠っている。

寝顔を見つめて、


・・さっきの涙を思い出していた。


なんで泣いたんだろう。
僕が何かしたんだろうか。
思い当たることはないが、何か不本意なことを強いたのかもしれない。
それともつらいことがあった？
体調が悪いときは気持ちも弱るもんだから、
仕事がきちんとできなくて悔しかったりしたのかも。


何にせよ、

泣き顔もすごく・・・・・きれいだった。


・・ってオイ。

そこじゃないだろう。自分。パボ！


ぼうっと考えていたけれど、
そろそろ起こさないと。
ほんとは目が覚めるまで寝かせてあげたいけれど、
きっと自然に目覚めるのを待ってたら日が変わってしまうだろう。

残りの撮影を消化するため、Aを優しく起こした。

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