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"あの人"だ。昨日せんぱいと一緒にいた、一緒にうでを組んで歩いていた。あの人。
昨日は遠くてあまり見えなかったけど、とってもきれいな人。さらさらの長い髪がくるくるに巻いてあって、ピンク色のくちびるで、バニラみたいなほんのりあまい香り。
テーブル席についたその人はチーズケーキとココアを頼んだ。頼むものまでかわいい。
「それと.........平野くんって子、います?」
「あっ、はい。お呼びしましょうか、」
「ケーキが出来てからでいいですよ」
にこって、せんぱいみたいなかわいい笑顔でそう言った。いや、あんまり似てないかも。なんか認めたくないって気持ちがあるのかな、やっぱ。
「なぁ......昨日の、」
「............うん」
「A、」
カウンターに戻ると小声で話しかけるれんくん。心配するようにわたしの名前を呼ぶけど、大丈夫だよって笑う。いまの笑顔、下手くそかなぁ。前にれんくんに顔に出やすいよなって言われたしなぁ。
せんぱいにチーズケーキお願いしますって言って、わたしはココアを作る。注文が入ったらせんぱいはフロントを見るんだ。そして、作る。せんぱいはあの人を見てた。すこしビックリしたような顔をして。
「Aちゃん、俺運ぶよ」
「はい、」
れんくんには気づかなかったのに。知り合いかどうかじゃなくて、興味ある人かどうかで見てるのかな。どうなんだろ。全部作り終えておぼんにのせる。
「お待たせしました」
「すごいね、とっても美味しそう」
「でしょ、このチーズケーキおすすめなんだよね」
お客さんがれんくんとその人しかいないからか、せんぱいとその人の声がよく聞こえる。れんくんはふたりを睨んでオレンジジュースをおかわり。
わたしのかわりに睨んでるのかはよくわかんないけど、ありがとうの代わりにオレンジジュースを奢ろうかな。昨日のケーキ代もあるし。
「この後空いてる?」
「空いてるよ、19:00には上がるから」
「じゃあ終わるまでここで待ってるね」
大好きな人とその彼女さんのこんな会話、ひとりで聞いてたら泣きだしちゃいそうだから。
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平永 優 - おもしろいですね (2019年1月5日 16時) (
レス) id: bfe14f6fc5 (このIDを非表示/違反報告)
ARMY - すごくおもしろいですw応援してます！更新楽しみにしてます！ (2018年12月10日 23時) (レス) id: ea329e26cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Erie | 作成日時：2018年12月8日 20時
